足場工事会社のホームページの作り方~工事受注に必要な4つの要素~

     
足場工事会社のホームページの作り方~載せるべき4つの要素~ホームページ制作
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今の時代は、どのような会社もホームページを持つのが当たり前になっています。とはいえ、足場工事会社に勤める方のなかには「足場屋にホームページなんて必要ある?」と疑問に思われる方も多いでしょう。

確かに、足場工事の請負の流れは、これまでの付き合いや実績・信頼が1番大きなウェイトを占めています。ゆえに、仕事を獲得する上で「ホームページは必須」とまでは言い切れない部分があるのは確かです。

しかし、意外かもしれませんが、多くの元請けは下請け業者に対して「クオリティの高いホームページを作ってもらいたい」と考えています。というのも、クライアントに「こういうしっかりした会社に委託しています」と安心感や信頼感を与える必要があるからです。「名刺代わり」「会社案内の代用」と言ってもいいでしょう。

また、日本では人手不足が問題になっており、足場業界はその筆頭に挙げられます。今後ますます重要になる人材獲得においても、作り込まれたホームページは有利に働きます。なぜなら、求人広告を見た求職者の9割は、まず気になった会社のホームページを見て、自分に合う会社かどうかを吟味する傾向にあるからです。もしホームページがなければ、検討のテーブルにすら乗ることができません。

もちろん、仕事の獲得においてもホームページは活躍します。たとえばゼネコンが新たな地域で工事を行うにあたり、現場付近で足場工事のできる会社を探す際、協力会や紹介では限界があります。そこで頼りにする大きな情報源が、電話帳よりもホームページ。最初は「お試し発注」として、任される工事範囲も狭いかもしれませんし、職工の頭数を揃えるための手間請けや応援のような依頼かもしれません。しかし2回、3回と信用を重ねることで、長く付き合える元請けになり得ます。こうした理由から、足場工事会社にはホームページがあったほうがいい、と断言できます。

では、そのホームページには、一体どのような内容を掲載すべきなのでしょうか? ここでは、足場工事会社のホームページに掲載すべき要素や、魅力的なホームページの例をご紹介します。

足場工事会社のホームページに載せるべき4つの要素

足場工事会社のホームページに載せるべき要素は、大きく分けて4つあります。4つの要素をすべて充実させることで、お客様の抱く疑問や興味への回答となり、仕事の獲得につながるのです。では早速、4つの要素の内容を見ていきましょう。

対応している足場資材

まず最低限掲載しておくべきなのが、対応できる足場資材の種類です。ホームページを訪れた元請けは、この「対応している足場資材」で、おおよその請負可能な工事内容・工事範囲を判別できます。

具体的には、「くさび緊結式足場(ビケ足場)」「単管足場」「枠組足場(ビティ足場)」や、「次世代足場」などにも対応できるのかなど。

もし対応している足場資材を掲載していなければ、お問い合わせ段階で元請けが希望する足場に対応できないことがわかり、お断りするという双方のやりとりの手間が発生します。また、「資材だけレンタルしたい」「手間請けをお願いしたい」という同業者や協力業者からの問い合わせの可能性も、無くなってしまいます。

こういった機会損失やトラブルが起きないようにするためにも、対応する足場の種類については、必ずホームページに記載しておきましょう。

対応している足場資材

対応できる足場工事の種類と規模

「対応できる足場資材」とあわせて掲載しておきたいのが、対応できる足場工事の種類と規模です。せっかく元請けが貴社のホームページを見付けて訪問してくれたのに、肝心な「対応できる施工範囲」が不明瞭なために適切な足場を作れるのかどうかが判断できず、ページを閉じてしまう…ということは多くあります。結果として相談しづらくなり、依頼の獲得を逃してしまう可能性がありますので、この機会損失を防ぐためにも、対応できる工事内容は必ず明記しておきましょう。

具体的に小規模な方から見ていくと、戸建て住宅やアパート、低層マンションなどの集合住宅。新築時の先行足場から外壁塗装・リフォーム向けの足場工事、解体工事の足場などがあります。「くさび緊結式足場(ビケ足場)」での対応が中心になるかと思いますが、狭小住宅地向けに単管足場に対応できるかどうかも、念のため明記しておくと良いでしょう。

また、より大きな規模でいうと、マンションやオフィスビル、ホテルなどの足場工事。さらに、トンネル、ダム、鉄塔、橋梁、高速道路、空港、発電所などの工事や護岸工事といった現場における足場もあります。

町場から野丁場まで、それぞれの現場ごとに当然ながら求められるスキルやノウハウ、必要な人員、足場資材の種類や数などがまったく異なります。地上に足場を設置できない橋梁などでは「吊り足場」が必要ですし、敷地が狭い場所であれば「一側足場」「二側足場」を使うこともあるでしょう。

これらすべてに対応できる業者というのは、そう多くありません。対応可能な建物の種類や規模に関する情報が曖昧だと、やはり機会損失を招いたり、認識の食い違いによるトラブルにつながったりします。ホームページには「実際どのくらいの規模・種類の足場に対応できるのか」を、できる限り具体的に掲載しておきましょう。

プラントの足場

足場工事の施工事例・施工実績

足場工事の依頼を獲得する上で、最も重要な要素と言っても過言ではないのが、足場工事の施工事例です。対応できる足場工事の種類や規模をホームページに掲載しても、「本当に対応できるのか?」「工事の品質は十分か?」といったことは、依頼する側にはわかりません。そこで、自社の技術力の証明として、実際に手掛けた工事の事例を掲載する必要があるのです。

もし施工事例が掲載されていないか不足していれば、足場工事会社としての信頼を得られず、受注の機会損失につながる可能性があります。「問い合わせをしてくれれば答えるのに」と思うかもしれませんが、元請け側としては「実績がよくわからない会社より、明確になっている会社を当たろう」と考えるでしょう。

そのため、施工事例はなるべくたくさん掲載し、「物件名」「どのJVの下で入った現場なのか」などのほか、工事の規模や内容についてもできる限り詳しく記載するのがベストです。一目で自社の技術力や対応可能な足場がわかる施工事例があると、元請けの興味を強く引くことができます。依頼者がどのような工事内容やクオリティを望んでおり、それにどう対応したかがわかるようにするとなお良いでしょう。

足場工事の内容やクオリティ

施工事例を掲載する時のポイントは、その場にいない人にも足場工事の詳細が伝わるように配慮することです。たとえば、写真は1ヶ所だけから撮影したものではなく、足場全体の様子がわかる「引き(遠距離)」で撮影した写真と、足場の細部が見える「寄り(近距離)」で撮影した写真を掲載するといいでしょう。2つを比較することで、現場の状況を想像しやすくなります。

また、着工前後(ビフォー・アフター)の足場写真を掲載するのも有効です。作業の丁寧さや無駄な工程の有無など、依頼者が気になる点をわかりやすく伝えることができます。加えて動画、特に定点動画を掲載すると、作業の内容や工程が一目瞭然となり、依頼者にとっては何よりの参考資料となります。

そして、施工事例以外にも、施工の品質や施工時の様子がわかるような写真・動画・文章などを掲載しておきましょう。一例としては、「足場工事を行う際に心がけていること・注意していること」を掲載すると、信頼性が大きく高まります。

具体的には、「作業前はご近所への挨拶回りをしています」「騒音対策をしています」「関係者間のコミュニケーションを密に取っています」「アフターフォローも万全、迅速対応」といった情報は、ぜひ記載してください。こういった情報があると、依頼する側としても安心できます。

実施している安全対策

足場工事において、どのような安全対策をしているのかという情報も非常に重要です。足場工事は高所作業が中心なのに加え、大きくて重い資材を運ぶ機会も多く、常に危険と隣り合わせです。足場工事において安全対策は何よりも優先すべきであり、そこが不十分だったり不透明だったりする会社は、まず依頼を獲得できません。

ポイントは、法令によって定められた安全対策の基準を、しっかり守っているとアピールすることです。足場からの墜落・転落事故を防止するための措置は、労働安全衛生規則などによって定められています。

たとえば、高さ6.75m(建設業は5m)を超える高所で作業する場合は、フルハーネス型墜落制止用器具の着用が必須です。足場の作業床の幅は、困難な場合を除いて40cm以上でなければなりません。

フルハーネス

また、足場や作業構台の組立・一部解体・変更などを行った後には、元請け業者などの注文者による点検(必要であれば修理も)が必須です。さらに、墜落防止設備を取り外した後には関係者以外の立ち入りを禁止しなければなりませんし、一時的に設備を取り外す必要性があった場合は、その作業の終了後すぐに元に戻さなければなりません。

このように現在では、足場から墜落・転落するリスクを、あらゆる観点から軽減できるような措置が求められています。万が一事故が発生した場合、状況によっては元請け業者も責任を問われかねません。そのため元請け業者も、「安全・安心」な下請けを求めています。実施している安全対策は、ホームページにわかりやすく掲載しておきましょう。

また元請け獲得のためのホームページ作りについては、以下の記事もご参考ください。

元請け開拓の突破口~工事受注に必要な施工会社のホームページ構成総まとめ!~
ホームページが元請けとの接点になり得る時代に突入しています。元請けから仕事を振られるようなホームページを作りたい場合、どんなページをそろえればいいのでしょうか?この記事では、元請け開拓・元請け獲得のために「これだけはそろえておきたいページ」をご紹介します。

足場工事会社のホームページ例:5選

では具体的に、足場工事会社のホームページはどんなものがあるのか、おすすめしたいサイトを例として5つほどご紹介します。

株式会社大成創業(岡山県倉敷市)

大成創業様のホームページ

大成創業様のホームページ|https://taisei-sogyo.com/

冒頭のロゴのアニメーションからインパクトのあるホームページ。求人目的のホームページですが、「水島臨海工業地帯を中心とした化学工場の定期修繕やメンテナンス、解体工事のために足場を組んでいます。」と仕事内容を明確に提示。「何でもやります」という姿勢よりも、ピンポイント・専門的な工事をしっかり押し出す真摯な姿勢が、信頼・信用を与えます。

株式会社卯月工業(千葉県市原市)

卯月工業様HPトップ

卯月工業様のホームページ|https://www.uzuki-kogyo.jp/

足場工事を軸に、解体・総合建設・運輸事業まで多岐に渡る事業展開をしています。それぞれ事業ごとにページが作成されており、どんな仕事を請け負っているのかの詳細を知ることができます。元請け向けにアニメーション漫画で訴求するユニークな試みも、お問い合わせの敷居を下げる重要な役割を担っています。

株式会社キューエイ(福岡県宮若市)

キョーエイ様ホームページTOP

キョーエイ様のホームページ|https://www.kyoei2016.jp/

足場を軸に、鍛冶・プラント工事まで請負可能な会社さんのホームページ。対応する足場の種類ではプラント工事・特殊足場が多ためか「単管」をあえて提示。一方、次世代足場への対応もしっかりアピールしています。協力会社の募集で専用ページ作っているところもポイントです。「足場工事 宮若市」の検索で3位を獲得する実力あり。

株式会社ANZEN(長野県上田市)

ANZEN_top

ANZEN様のホームページ|https://www.anzen-support.jp/

どちらかといえば求人採用に力を入れているホームページですが、企業理念や安全への取り組み、施工事例などをしっかりと掲載することで、地場ゼネコンなど新規元請けからの依頼も来ているそうです。「社員の声」として在籍スタッフのインタビューを載せることで、求職者だけでなく元請けにも信頼や親近感を醸成することに成功しています。「足場工事 上田市」で検索・マップともに1位を獲得中。

株式会社濱田工業(千葉県市原市)

濱田工業様topページ

濱田工業様のホームページ|https://www.hamada-kogyo-inc.jp/

こちらも人材獲得が第一目標となっているホームページですが、事業内容ページで施工範囲をしっかり明記しているほか、掲載する施工事例も50件を超え、圧巻。日本最大手の鉄道会社からも声が掛かったという実績のあるホームページです。「足場工事 市原市」で検索・マップともに1位を獲得中。

人材も協力業者もホームページで獲得。求人応募が毎月7件入る足場工事会社のWEB戦略 | BRANU株式会社
千葉県市原市を拠点に足場工事を手掛けている株式会社濵田工業様。工事依頼が増え続け人手不足に悩まれていましたが、ホームページを活用することで、求人応募・協力業者から問い合わせを月平均7件獲得するようになりました。どのような施策でこの人手不足の問題を解決されたのか、濵田工業様に伺ってみました。

まとめ

足場工事会社のホームページに載せるべき4つの要素は、いずれも非常に重要であると同時に、基本的なことばかりです。そのため4つの要素がそろっていないと、依頼を考えている元請け業者も不安になり、相談・依頼を避けてしまいます。例としてご紹介したホームページは、いずれも4つの要素を満たしているからこそ、結果につながっているのです。

ホームページはただ作って公開するだけでなく、しっかりと作り込んで更新を続けることで、初めて効果を発揮します。4つの要素を意識してホームページを制作し、仕事の獲得につなげましょう。

なお、上記で挙げたホームページ例は、いずれもBRANUが制作したものです。BRANUのホームページはSEO・MEOに強いのに加え、「見たまま編集」の簡単操作が大きな特長です。スマートフォンから施工事例やブログを投稿できるのはもちろん、ちょっとした文字修正や画像の差し替え・挿入などは、メールの文書作成と同様の感覚で簡単に行えます。

また、専属の担当者が1名付き、集客・求人といった目標達成に向けてサポートし続けるのも特長です。常にお客様に寄り添い、ホームページの制作から公開、更新、目標達成までお手伝いいたします。まだホームページをお持ちでない企業様やリニューアルをご検討中の企業様は、ぜひお気軽にBRANUまでご相談ください。

     
この記事を書いたライター
政所健司

建築専門出版社にて住宅誌の編集長を歴任。国交省・住宅金融支援機構・NEDO等の広報誌制作業務に参画後、LIXILリフォームショップFC店の企業広報を経て現在BRANU株式会社にてマーケティングを担当。「現場で一番汗を流している人たちこそ主役に」という考えのもと、中小零細企業へのIT支援・DX支援・事業支援を通じて建設業界の古い産業構造の改革を目指す3児の父。

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