元請け開拓の突破口~工事受注に必要な施工会社のホームページ構成総まとめ!~

     
工事獲得に必要なサムネイルホームページ制作
ホームページ制作

建設工事の元請けから仕事を獲得したい時、従来は「紹介してもらう」「協力会に入る」といった慣習がありました。しかし今の時代は施工会社がどんどん減り続け、協力会や紹介だけでは追いつかず、ホームページを参考に新たな下請け業者を探すケースが増えています。

つまり、ホームページが元請けとの接点になり得る時代に突入しています。元請けから仕事を振られるようなホームページを作りたい場合、どんなページをそろえればいいのでしょうか?

この記事では、これから元請け開拓できるホームページを作ろうとしている方、または元請け獲得のためにリニューアルを考えている方に向けて「これだけはそろえておきたいページ」をご紹介します。

元請け獲得目的のホームページに必要な基本ページ一覧

元請けの獲得を目的とするホームページを作る場合、最低限そろえておきたいページとしては、以下の9項目があります。

①トップページ
②事業内容ページ
③自社の強みページ
④施工事例ページ
⑤よくある質問ページ(FAQ)
⑥お知らせページ
⑦ブログ
⑧資料ダウンロードページ
⑨お問い合わせフォーム

これだけのページがそろっていれば、効果的なホームページの「型」が整います。以降の項目では、各ページに盛り込むべき内容やポイントを詳しく解説します。

ブログや施工事例の更新

元請け獲得目的のホームページに必要なページ①トップページ

トップページは、「ここは何のホームページなのか?」をわかりやすく伝えるためのページです。ホームページの閲覧者は、最初から目的を持って訪問するとは限らず、必ずトップページから入ってくるわけでもありません。偶然たどり着いたり、他のページに着地してからトップページに移動したりする場合もあります。そんな人に「ここが何のホームページで、どんなサービスを行っているのか」を理解してもらうのがトップページの役割です。

また、トップページを見て興味を持ってくれた元請けに対し、他のページへの適切な導線を提示するという役割もあります。他のページを見てもらえるかどうかは、トップページのクオリティにかかっているといってもいいでしょう。他のページへのリンクは、なるべくわかりやすく表示してください。

元請け獲得目的のホームページに必要なページ②事業内容ページ

事業内容ページは、会社が手掛けている事業を紹介するためのページです。主に工事種や工事範囲など、「どんな工事を請け負えるのか?」を説明します。元請けはこのページで「何ができる会社なのか?」という全体像を知り、「下請けの候補になりそうか?」を判断します。

そのため、工務店なら新築が得意なのか、リフォームが得意なのか? 内装なら全部できるのか、それとも何かに特化しているのか? 鳶工事なら足場なのか、鉄骨なのか、重量鳶なのか? 電気工事なら強電なのか、弱電なのか? といった情報をわかりやすく伝えることが大切です。詳細は他のページで解説するので、網羅的に記載しましょう。

元請け獲得目的のホームページに必要なページ③自社の強みページ

自社の強みページは「ストレングスページ」ともいい、文字通り自社の強みを紹介して、競合他社との差別化を図るためのページです。たとえば業歴や実績、免許、保有重機、さらに企業理念や仕事への取り組み姿勢などが主な記載事項となります。

元請けにとっては、「要求する技術力を満たしているか?」の確認ポイントです。「どんな工事が得意なのか?」「これまでどんな工事をやってきたのか?」「どんなお悩みを解決できるのか?」といったことを、できる限り具体的に説明しましょう。

「ふつう」の建設会社・工務店・リフォーム店でも、自社の強みが簡単に見つかる6つのヒント!
インターネットで少しでも他社より目を引き、1人でも多くの顧客に選んでもらえるために、強みを訴求する必要があります。そこで自社の強みを簡単に探し出す手順を、建設関連会社さんならではの視点で記事にまとめてみました。

元請け獲得目的のホームページに必要なページ④施工事例ページ

施工事例ページは、これまで実際に手掛けた工事を紹介し、元請けの信頼を獲得するためのページです。事実をもとに説明するため、客観的かつ信頼性の高い情報となります。

元請けにとっては「希望する内容・規模の工事を任せられるか?」を判断するための重要な情報源であり、②や③の補足として必須です。具体的な物件名(特に有名なものや大規模なもの)を記載する、写真を豊富に使うなど工夫しましょう。「ああ、この物件を担当した会社なら大丈夫だ」と思ってもらえるようにすることが大切です。

なお秘匿義務などで現場写真の掲載が難しい場合は、現場名だけでもOK。代わりに、どのJVの下で、どんな工事範囲を任された、などの詳細情報は必ず載せるようにしましょう。

建設現場

元請け獲得目的のホームページに必要なページ⑤よくある質問ページ(FAQ)

よくある質問ページ(FAQ)は、主にQ&A形式でユーザーの質問に答えるページです。ユーザーの疑問を解消し、会社への理解を深めてもらうために設置します。実際によく聞かれる質問への回答になるのに加え、ユーザーに伝えたいことをさり気なく掲載できるのがメリットです。

つまり、お問い合わせまであと一歩のところで躊躇している人へのメッセージであり、ここで相手の不安・疑問を解消すると、仕事の獲得に大きく近づきます。元請けの行動や考え方を推測して、「あと一歩の躊躇」をクリアできるように掲載しましょう。なお、スタッフのサポートツールとしても活用でき、関連ワードによるSEO対策(検索エンジン最適化)としても効果を発揮します。

元請け獲得目的のホームページに必要なページ⑥お知らせページ

お知らせページは、サービスや会社の体制に関する最新情報を伝えるためのページです。お盆や年末年始休業のお知らせをはじめ、新重機の導入、業務の拡大、社長の交代、イベントの開催、メディア掲載情報、その他プレスリリースなど、掲載する情報は何でも構いません。

お知らせページがしっかり更新されていると、最新情報に触れているという安心感や信頼を与えることができ、活気のある印象にもつながります。なお、独立したページを設けるのではなく、ブログと一体化させてもOKです。

元請け獲得目的のホームページに必要なページ⑦ブログ

コンテンツ(情報)の蓄積という点で、重要度が高いのがブログです。継続的なブログの更新は元請けへの技術アピールになるとともに、検索エンジンでの上位表示につながり、記事自体が集客をしてくれます。業務に沿った内容で、無理のない範囲でなるべく多く投稿しましょう。

ブログの書き方については、以下の記事もぜひご覧ください。

集客するブログの書き方~建設業界ならではのテーマの見つけ方からSEOライティングまで
ブログを書く意味のほか、テーマの見つけ方やヒント、集客や検索順位に効果のある書き方などを まとめてご紹介しています。ぜひこの記事を参考にして、ブログで御社のホームページを活性化させましょう!

元請け獲得目的のホームページに必要なページ⑧資料ダウンロードページ

元請けが施工事例やブログを読んで興味を持ったとしても、すぐに問い合わせに至るケースはそれほど多くありません。大抵は問い合わせの前のステップとして、もう少し詳細な情報を入手しようとします。

そこで、問い合わせ未満の元請けを囲い込むために、PDFなどでダウンロードできる自社資料を用意しておきましょう。役に立つ資料を用意すれば、自社の専門性をアピールして元請けの信頼を獲得できます。さらに、ダウンロードの際に顧客情報を取得することで、潜在顧客のリストを蓄積できるのです。

資料の活用や潜在顧客の囲い込みについては、以下のページもぜひご覧ください。

潜在顧客を囲い込むリフォーム店・工務店集客~「ライトコンバージョン」の導入手順と活用のポイント
注文住宅やフルリノベーションなど、単価の高い工事ほど顧客は慎重になります。この場合、顧客がまだ温まっていない潜在段階で囲い込む「ライトコンバージョン(中間コンバージョン)」が、建設業では有効です。そこで本資料では、このライトコンバージョンについて、導入手順と注意点などをご紹介します。

元請け獲得目的のホームページに必要なページ⑨お問い合わせフォーム

ホームページを見て興味を持ってくれた元請けが、気軽に問い合わせをできるように設置するのがお問い合わせフォームです。ここから問い合わせが来れば、仕事の獲得に極めて近い状態といえます。

大抵のホームページには備わっていると思われますが、使いこなせていないケースは少なくありません。建設現場でも確認できるよう転送設定にしたり、「追って連絡する」旨を自動返信する設定にしたりするのがおすすめです。

また、入力する項目の内容や数によっては、面倒に感じられて離脱を促してしまう可能性もあります。トライ&エラーを繰り返して最適解を探りましょう。

元請けを獲得するホームページ制作で一番重要なのは、元請けの視点に立つことです!

ここまでご紹介したポイントを押さえてホームページを制作すれば、元請けの獲得に大きく近づくでしょう。ただ、最後にもう1点だけ知っておいていただきたいことがあります。それはホームページの構成を考える際、元請けの視点に立つのが最も重要だということです。

実際に、皆さんの会社が下請け業者を探す時のことを想像してみてください。重視するポイントは何ですか? 何を信頼性や技術力の担保にしますか? 自社では対応できない依頼を受けた時はどうしますか? 対応できるけれど人手が足りない時は?

こういったポイントについて考えてみるだけでも、ホームページ構成の大きなヒントになります。常に元請けの立場でホームページを整備し、元請けの開拓や工事依頼の獲得に向けた土台作りをしていきましょう!

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元請け獲得

     
この記事を書いたライター
政所健司

建築専門出版社にて住宅誌の編集長を歴任。国交省・住宅金融支援機構・NEDO等の広報誌制作業務に参画後、LIXILリフォームショップFC店の企業広報を経て現在BRANU株式会社にてマーケティングを担当。「現場で一番汗を流している人たちこそ主役に」という考えのもと、中小零細企業へのIT支援・DX支援・事業支援を通じて建設業界の古い産業構造の改革を目指す3児の父。

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