ホームページを活用して工事の受注や人材獲得などの結果に結びつけるためには、公開後いかに運用していくかが重要です。どれだけ優れたデザインで興味を引くホームページを制作しても、「ただ作っただけ」ではあまり意味がありません。適切に運用されていなければ、ホームページとしての効果を十分に発揮することはできないからです。
そこで本記事では、ホームページの効果的な運用に役立つ、以下の情報をまとめました。
・ホームページを適切に運用すべき理由
・ホームページを運用するための具体的な作業
・ホームページ運用の注意点
ホームページの管理に詳しくなくても、この記事を見ればホームページ運用のポイントがすべてわかります。ぜひ事業戦略の参考にしてください。
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ホームページ公開後の運用が必要な理由
ホームページの活用において、公開後の運用が必須である理由は、大きく分けて3つあります。これからホームページを作成する予定の方はもちろん、現状「ただ作っただけ」になっている方も、以下の3つの理由をご確認ください。
理由1・公開し続けるためにシステム面の更新作業が必要だから
ホームページは、一度公開すれば永久にインターネット上に残るわけではありません。なぜなら、インターネット上の住所に当たる「ドメイン」や、データの保管庫である「サーバー」には契約期限があるからです。期限切れになったホームページはインターネット上から消えてしまうため、定期的にドメインやサーバーの契約を更新する必要があります。
理由2・放置するとユーザーの興味や信頼を損なうから
ホームページが何年も放置され、ブログや商品紹介といったコンテンツ(情報)がまったく追加されないと、ユーザーは興味を失ってしまいます。さらに、会社の住所や電話番号が変わったのに情報が更新されていない、終了したイベントの情報がいつまでも掲載されている……といった状態であれば、ユーザーは企業に対して不信感を抱くでしょう。ユーザーの興味や信頼をつなぎとめるためにも、ホームページの更新は必須なのです。
理由3・ホームページの導入目的の達成につながるから
ホームページを立ち上げる時は、「企業の知名度アップ」「商品の販売促進」といった目的を設定します。こうした目的は、ただホームページを公開するだけで達成できるわけではありません。訪れているユーザー層や人気のページなどを分析し、それに合わせてホームページを改善していくことで初めて達成できるのです。「そもそも何のためにホームページを作ったのか?」を忘れないようにしましょう。
具体的にどんな作業をすればいいのか?~公開し続けるために~
ここからは、ホームページ運用の具体的な作業を理由・目的ごとに見ていきましょう。まずはホームページを公開し続けるために必要な作業、いわゆる「運用保守」の作業からです。
ドメイン、サーバーの契約状況の管理
ホームページを維持するためには、ドメインやサーバーの契約の定期的な更新が必要です。料金の支払いを忘れて契約が打ち切られると、ホームページは閲覧停止になってしまいます。管理担当者を決めるなどして、確実に更新できるようにしておきましょう。ドメインの費用相場は年間で数百円~数千円、レンタルサーバーの費用相場は年間数千円~数万円程度です。
SSLサーバー証明書の維持管理
ホームページ運営者の実在を確認し、なりすましやデータの改ざんを防ぐためには、通信を暗号化する「SSLサーバー証明書」を認証局から発行してもらう必要があります。これはドメインなどと同様、定期的に更新しなければなりません。更新されていないと、アドレスバーに「保護されていない通信です」と表示され、ユーザーの離脱を招いてしまいます。
また、SSLには「認証レベル」が設けられており、信用度が低い順に「ドメイン認証型(DV)」「企業認証型(OV)」「EV認証型」の3段階があります。企業認証型とEV認証型は信用度が高い分、費用も年間で数万円~十数万円と高くなります。
CMS、プラグインのアップデート対応
CMS(Contents Management System:コンテンツ・マネジメント・システム)とは、専門的な知識がなくてもホームページの制作や更新ができるシステムです。今や多くの企業のホームページがCMSで作られており、有名なCMSとしてはWordPressがあります。そしてプラグインとは、CMSの機能を拡張するソフトウェアのことです。
CMSやプラグインは頻繁にバージョンアップされ、その都度アップデートする必要があります。古いバージョンのままだと、最新の機能が使えなかったりサポートを受けられなかったりするため、常に最新の状態にしておくことが大切です。アップデートにかかる費用はCMSごとに異なり、月に1回の更新が必要な場合で月額5,000円~10,000円前後です。
SNS等連携ツールのアップデート対応
昨今では、TwitterやインスタグラムといったSNSを、ホームページと連携させて運用するケースが多くなりました。この場合は、SNSのバージョンアップ・仕様変更にも対応する必要があります。最新版になっていないと、情報が正常に表示されなかったり機能に不具合が出たりする可能性があるので、機会損失を防ぐためにも確実にアップデートしましょう。
具体的にどんな作業をすればいいか?~信頼を損なわないために~
次は、ユーザーの興味や信頼をつなぎとめるための作業です。これを怠るとユーザーの信頼を損ない、ホームページの存在が逆効果になってしまうこともあるため、以下のポイントを押さえて運用しましょう。
お問い合わせへの対応
ホームページを見た人からの問い合わせに不適切な対応をすると、クレームに発展するおそれがあります。担当者を決めて迅速に返信するのはもちろん、どのような質問にどのような返答をするかというルールを設けておくといいでしょう。ユーザーが気軽に問い合わせをできるよう、「Googleフォーム」などを活用してお問い合わせフォームを用意するのもおすすめです。
会社情報を最新の状態にしておく
会社の住所や電話番号の変更、社長の交代、事業内容の拡大といった変化があった場合は、必ず最新の情報に更新しておきましょう。ここに不備があると「工事を依頼したいのに連絡が取れない」「事業の拡大を知らなかった」といった理由で、機会損失やクレームにつながる可能性があります。礼儀としての側面もあるので、忘れずに更新してください。
ブログや施工事例の更新
ブログや施工事例といったコンテンツを更新すると、ユーザーの関心を引けるのでアクセス数アップにつながります。また、検索エンジンからの評価も高まり、上位表示されやすくなるというメリットもあります。
ただし、やみくもに更新すればいいわけではありません。近年のホームページの評価は、更新の頻度よりもコンテンツの質が重視されているからです。有益な情報を提供する、読みやすい文章にする、表や画像を合間に挟むなどして、品質の高いコンテンツを蓄積していきましょう。
具体的にどんな作業をすればいいのか?~目的達成のために~
最後は、ホームページの目的達成のための作業です。この作業を丁寧に行って結果につなげてこそ、ホームページを作った意味があります。地味な作業も多いのですが、しっかりと行いましょう。
アクセス解析する
「どんな人が」「どのようなルートでホームページを訪れ」「どのページを見て」「どんな行動を取ったのか」。こういった情報を集めることを「アクセス解析」といいます。アクセス解析によって得られた情報を分析すると、ユーザーが求めている情報・商品・サービスなどを的確に把握でき、それをもとに改善を繰り返すことで結果につながるのです。
アクセス解析用のツールとしては、Google Search Console(グーグルサーチコンソール)やGoogle アナリティクスがよく使われます。Google Search Consoleは、検索ワードでの表示回数や順位、クリック数などを確認できるツールです。一方Google アナリティクスは、ホームページへの訪問者数や訪問者の流入経路、ページごとの滞在時間などを判別できます。これらのツールを駆使して、こまめにアクセス解析を行いましょう。
集客施策を行う
ホームページを集客につなげるためには、コンテンツの更新も含めていろいろな施策が考えられます。たとえばSNSとの連携やSEO対策(検索エンジン最適化)、メールマーケティング、そして各種広告などです。詳しくは以下のページで解説しておりますので、ぜひご覧ください。
ホームページ運用の外注も有効です!
ここまでご紹介してきた内容には専門的な知識を必要とするものもあるため、自社での対応が難しい場合も多いと思われます。また、「できなくはないが人手や時間が足りない」というケースも少なくありません。そのような時は、ホームページの運用を専門業者に外注するのがおすすめです。適切に外注するためにも、ポイントを確認しておきましょう。
どこまで外注すべき?
極端なことをいうと、ホームページの運用を専門業者に丸投げすることも可能です。しかし、それでは外注費用が高くなり、社内のスタッフがまったく技術を身につけられません。自社でできることは自社で行い、それ以外のことを外注するのが基本です。予算や社内スタッフのスキル、作業に当てられる時間などを考慮して外注する範囲を決めましょう。
運用を外注する際の費用相場
上記の通り、外注の費用はより多くの作業を頼むほど高くなります。大まかな相場は以下の通りです。
相場 | 作業内容 |
5千円〜2万円 | 月数回の更新などの簡単な運用 |
2万円〜5万円 | 更新作業に加え、月次のレポートや集客アドバイスの提供も受ける場合 |
5万円以上 | 本格的な集客施策の実施・指導を依頼する場合 |
注意点:契約書に業務範囲や頻度、費用の明記を!
ホームページ運用を外注する時は、業務内容や対応頻度、費用といった内容を契約書に明記することが大切です。ここを曖昧にして依頼すると、後々トラブルになりかねません。業務内容はできる限り細かく定義し、月次レポートの提出や改善策提案の有無なども明確にしておきましょう。
また、対応頻度については「どの作業を毎月最大何回/合計何時間までやってもらえるのか」を決めておくことが重要です。費用は月額固定の場合と、実際に行なった作業ベースで決まる場合があるため、どちらがいいのかよく検討して明記しましょう。
そして忘れてはならないのが、外注先の「免責事項」です。「ホームページを長時間利用できなくなった」「コンテンツが原因で何らかの損害が生じた」などといったトラブルが発生した場合、それが自社の責任になるのか外注先の責任になるのかは明確にしておく必要があります。外注先と十分に協議し、免責事項を細かく定義しておいてください。
まとめ
ホームページは「とりあえずあればいい」という目的で作ったとしても、それを公開し続けるためには最低限の維持管理が必要になります。さらに、集客や知名度アップにつなげたい場合は、適切な運用が欠かせません。社内で担当者を決めて、アクセス解析やコンテンツの更新などをしっかりと行なっていくのが望ましいでしょう。
とはいえ、少数精鋭の事業所では本業が忙しく、なかなか運用まで手が回らないことも多いと思われます。そのような時は、状況に合わせてホームページの運用を外注するのがおすすめです。
この場合は制作会社が運用を兼ねるケースが多いため、制作会社選びの段階で公開後の運用能力まで考慮する必要があります。ホームページの運用次第で事業活動が大きく左右されますので、制作会社・運用会社選びは慎重に行い、自社に適した会社を選びましょう!
なおBRANUのホームページには、サポート費用にドメイン・サーバー・SSLの維持管理等がすべて含まれております。クラウド型の独自CMSなので、アプリのように随時自動でセキュリティ/機能アップデートが可能。更新に専門知識が必要とされず、直感で簡単に修正できるのも特徴です。
集客/求人目的の運用メニュー(オプション)も多数用意し、事業のバックアップ体制は万全。企業ごとに専任担当者が付き、レポートや修正・運用提案もさせていただきます。建設会社のホームページの制作・運用は、ぜひBRANUにご相談ください!
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