この記事に辿り着いた方は、「これからの時代、工事を獲得するうえでインターネット活用は避けられない」あるいは「ホームページが集客の基点になる」ということに、すでに気づかれていることでしょう。
しかし同時に「ホームページは見られないと意味がない」ことをご存知で、「検索ですぐ見つかるようにするには何から手を付けていいかわからない」と悩まれているかと思います。
そこで情報を得ようと検索しても、出てくるのはWEBの専門家目線で書かれた難しい記事ばかり。建設・建築業を本業とする方にとっては、「実際どうすれば良いのか」「できることは何か」を読み解くだけでも大変です。さらに、検索サイトで上位表示させるのは一朝一夕には実現せず、「半年先あるいは1年先を見越した」話であるため、より取り組みへの意欲は削がれます。
そこで本記事は、WEBの専門知識を知らなくても、「検索順位向上のためにできること」についてまとめてみました。これまでさまざまな記事を見るたびに挫折してきた方にこそ、この解説を最後までお読みいただきたいと思います。
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検索順位が決まる仕組みやプロセス
現在、世界中で最も多く使われている検索サイトはGoogleです。そこでまずは、Googleの検索順位が決まる仕組みを知っておきましょう。
簡単にいうと、Googleは「クローラー」というプログラムを使って、世界中のWebサイトの情報を収集しています。その上で200以上の項目を用いてWebサイトを評価し、「このキーワードで検索してきた人にとって最も適切なサイトはどれか?」というランキング付けを行います。そして、ランキング上位から順にWebサイトを表示しているのです。
Googleはこの仕組みを「検索品質評価ガイドライン」として167ページのPDF(英文)で公開していますが、これはあくまでも指標の1つに過ぎず、専門家の間でも「無碍にはできないが、検索順位に直接影響しない」という意見が大半を占めています。ではどうしたら良いのかますます迷ってしまいますが、結局のところ「ユーザー(検索者)ファースト」の姿勢は一貫しています。これらの点から、検索順位を上げる施策のポイントは、
① ユーザー(検索者)にとって有益な情報を提供すること。
② 有益な情報であることを検索エンジン(クローラー)に認識させるようにすること。
であると導かれます。これらを徹底することが、検索順位を上げる施策(SEO・検索エンジン最適化)の基本的な考え方です。
検索サイトで上位表示するメリット
検索サイトで上位表示されると、より多くの人にホームページを見てもらえるようになります。たとえば、「建設会社+地域名」の検索で1番最初に表示されれば、とても多くの人に見てもらえるはずです。逆に、10ページ目でやっと出てくるようだと、見てもらえる確率は非常に低くなるでしょう。
では、多くの人にホームページを見てもらえると、どのようなメリットが得られるのでしょうか。具体的な効果を挙げてみましょう。
メリット1:安定して集客できる
より多くの人に貴社の存在や特徴を知ってもらえるようになるので、集客に効果を発揮します。一度上位表示させられたら、後は定期的に見直しを行うだけで、安定して集客を継続できるでしょう。
メリット2:成約してくれる確率の高い見込み顧客を獲得できる
ホームページにたどり着いた人は、関連するキーワードで検索をしているため、貴社の工事内容やサービスに対してすでに一定の関心を持っています。そういった「見込み顧客」に自社ホームページのコンテンツ(掲載内容)を見てもらうことで、工事やサービスの依頼・契約につながるのです。
メリット3:中長期的に広告費を削減できる
上位表示されコンテンツも充実したホームページは、それ自体が強力な広告となります。しかもインターネット広告などと異なり、一定期間で消えてしまうこともありません。そのため、効果を発揮するまである程度の時間がかかるものの、中長期的に見ると広告費を削減できるのです。
検索順位を上げるための施策の種類
ここで念のため、検索上位を狙うための施策の種類を簡単におさらいしておきましょう。大きく分類すると、以下の3つに分けることができます。
施策1.外部対策
主に外部からのリンク(被リンク)を獲得する(他のWEBサイトからのリンクを集める)ための施策です。信頼性の高い高品質なサイトからリンクされているほど、Googleはそのホームページがユーザーにとって有益だと判断します。結果として評価が高まり、上位表示されやすくなるのです。
施策2.内部対策
ホームページの内部構造を見やすいコードで設計したり、適切な内部リンクを貼ったりして、ホームページの内部を整備する施策のことです。大幅な検索順位上昇につながるケースは少ないものの、表示速度やスマートフォンでの見やすさが改善されることで、検索者だけでなくGoogleの評価も高まります。サイトの土台作りとして重要です。
施策3.コンテンツ施策
ホームページのコンテンツを継続的に作成・発信・蓄積していくことで、Googleからの流入を増やす施策です。最近のGoogleはコンテンツの「質」を重視する傾向が強く、コンテンツ施策の重要性も高まってきました。多くのユーザーの疑問や悩みを解決できる有益なコンテンツを作り続ければ、Googleに評価され上位表示につながるでしょう
これらのうち施策1.の外部対策は、自身ではコントロールしにくい施策といえます。自分でできることとしては、懇意になった同業者や知人に「互いにリンクを貼りあいましょう」と掛け合うのがおすすめ。ただし低品質な被リンク(業者による意味のないリンクなど)は逆にペナルティの対象となり順位低下の恐れもあるので、業者からのリンク購入は避けたほうが良いでしょう。
また施策2.の内部対策は、冒頭でお伝えした「②有益な情報であることを検索エンジン(クローラー)に認識させるようにすること」です。これは専門知識が必要なので、制作会社のテリトリーになります。ホームページの構造や内部リンクは、タイミングを見て制作会社に確認しておきましょう。
そして、本題である施策3.「専門知識がなくてもできる対策」はコンテンツ施策のこと。つまり冒頭でお伝えした「①ユーザー(検索者)にとって有益な情報を提供すること」です。次の章で詳しく解説します。
本題:専門知識がなくても検索上位表示のためにできること
ここまで検索上位表示の流れやしくみについて見てきましたが、そのなかでも重要な施策の1つが、ホームページの「質」を上げることであることを理解いただけたかと思います。言い換えると、ホームページのコンテンツを充実させること。これが、本記事で最も伝えたかった重要なポイント「WEBの専門知識不要でできる対策」となります。以下にその手法をご紹介します。
固定ページを充実させる
自社の事業内容や歴史・沿革、商品カタログ、サービスのQ&A、スタッフ紹介といった固定ページは、しっかりと作り込んでおくのがおすすめです。これらは一度作り上げると大幅な変更を必要とせず、効果を発揮し続けてくれます。もし自分で手を加えるのが難しければ、制作会社に修正を依頼するタイミングなどに、まとめて発注しましょう。
検索者が求めている情報を載せる
検索者の意図、つまり「そのキーワードで検索してきた人がどんな情報をほしがっているのか?」を調べ、その回答となるコンテンツを充実させると、上位表示される確率が高くなります。検索意図の調査方法としては、検索窓にキーワードを入れたときに表示される候補キーワードを見る方法や、共起語(一緒に使用される機会が多いキーワード)を調べる方法などがあります。
一例として候補キーワードを見る方法を紹介します。検索窓に「リフォーム」と入れると、「リフォーム補助金」「リフォーム 値段」などのキーワードが出てきます。これは検索頻度やキーワードの関連度合いによって表示されているもので、この場合はリフォームを考えているユーザーがどういう情報を欲しがっているのかが推測できます。
つまり、リフォームというキーワードで検索上位を狙いたい場合、リフォーム補助金の解説ページを設けることや、工事価格の目安などを載せることが、有効な施策ということがわかります。
施工事例やブログを書く
「固定ページの変更や追加は業者に依頼しないといけないし、費用もかかるので…」と、前向きに検討しにくい場合もあるかと思います。しかし、これはブログや施工事例を書くことで挽回することも可能です。
ブログや施工事例は、比較的簡単にコンテンツを追加できるツールです。これを使って、狙いたいキーワードに関連するテーマのコンテンツを充実させることができれば、検索エンジンからの評価を高められ、検索順位に良い影響を与えます。
注意しなければならないのは、ただやみくもに内容の薄い投稿ばかり増やしても効果がない点です。以下にそのポイントを5つまとめてみましたので、ブログを書くときはなるべくこれらを意識しながら書いてみましょう。
ブログ制作時に意識したい5つのPOINT
・自社の工事内容に関連するテーマの記事を書く
・検索者が求めている情報を載せる(前述参照)
・テーマやジャンルに特化した、専門性の高い内容にする
・執筆者や監修者の経歴を記載して、記事の信頼性や権威性を高める
・1記事あたりの文字数は、ひとまず6,000字を目標に
コンテンツの充実で生まれるメリットとデメリット
先にあげた検索上位表示によるメリットとは別に、ホームページのコンテンツを充実させることによるメリットも、以下のようにたくさんあります。なおデメリットもありますので、これについてもあわせてお伝えします。
工事のお問い合わせや人材応募につながる
貴社の事業に関するさまざまなコンテンツを展開していれば、そのページを回遊する機会も増え、貴社の事業内容への理解を促すことができます。そこで信頼や共感を得られれば、工事の見積り依頼などのお問い合わせにつながる可能性が高まります。これは仕事の依頼だけでなく、求職者や協力業者からの応募についても同じことが言えます。
潜在顧客にアプローチできる
まだ工事を依頼する段階やタイミングではないものの、関連する悩みや疑問を持っている「潜在顧客」は、悩みの解決のために一般的なキーワードで検索するでしょう。その際に貴社のホームページが上位表示されていれば、貴社の社名を知るきっかけになり、工事内容にも興味を持ってもらうことができます。結果として、潜在顧客を見込み顧客、そして優良顧客に変えられるのです。
ブランディングになる
検索結果の上位に表示されていると、それだけで「信頼できるWEBサイトなのだろう」というユーザー心理が働きます。ホームページ内のコンテンツが充実していれば、さらに信頼感が高まるでしょう。加えて、良質な記事を公開し続ければ、検索でコンテンツを目にする頻度も増えます。何度も繰り返し接触することで好感度が高まる(心理学ではザイオンス効果といわれます)こともあり親近感が醸成され、自社のブランディングにつながります。
検索上位が指定席になる
工事内容に関する記述やキーワードが増えることで、検索エンジンに「〇〇工事といえば貴社」というように、貴社の事業を強く認識・刷り込ませることができます。これをさらに推し進めることで、同業他社がちょっとやそっとでは追従できないような強いホームページに仕上がります。
被リンクの獲得でさらに上位を目指せる
良質なコンテンツを作成・公開し続けると、その価値に気づいてくれたユーザーから、とても自然な形で被リンクを獲得できます。外部リンクを多く獲得したり、業界内で評価の高いサイトからのリンクを獲得するとサイトの権威性が高まり、Googleからの評価も高まります。結果、さらなる上位表示が期待できます。
コンテンツを他の媒体に流用できる
ホームページ上の優れたコンテンツは、営業用の資料やパンフレット、カタログなどに流用できます。SNSや顧客向けの定期通信での情報発信、動画作成の素材などにも活用することも可能です。この拡張性の高さがコンテンツの魅力の1つであり、資料作成の手間や費用の削減にもつながります。
24時間集客効果が見込める
営業担当の従業員は、夜中まで休みなく働き続けることはできません。しかし、ホームページは24時間365日、一切休むことなく「営業活動」をしてくれます。しかも、顧客が自ら情報を調べてホームページにたどり着いているため、営業担当者が訪問して話をするのに比べ、とても積極的に情報を読み込んでくれるのです。
デメリット:効果が出るのに時間がかかる
コンテンツ施策の注意すべきデメリットは、効果が出るまで時間がかかることです。良質なコンテンツを蓄積していくことで初めて効果を発揮するため、Web広告のような即効性は期待できません。その分、上位表示に成功すれば半永久的に効果を発揮し続けてくれるので、中長期的にコンテンツを作成していきましょう。
土台作りも重要。ホームページの作成は信頼できる制作会社へ!
ホームページの検索上位表示に成功すると、数多くのメリットが得られます。そのための手法はいろいろありますが、必要以上に難しく考える必要はありません。最も大切なのは、良質なコンテンツをコツコツと作成していくことだからです。まずは自分にできることから少しずつ始めていきましょう。
なお、建設業を本業とする方にとって、「②有益な情報であることを検索エンジン(クローラー)に認識させるようにすること」については、別に対策を考える必要があります。どんなにコンテンツの作成を行っても、土台が整っていなければあまり効果が見込めません。場合によっては、記事を書いてもGoogleにまったく認識されないケースすらあります。
そのため、最初の制作会社選びは非常に重要です。ホームページをリニューアルする時や、新たなホームページの導入を検討する時は、依頼する制作会社を十分に吟味しましょう!
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