「広告に結構な金額を投資しているのに、思うようにお問合せが来ない」
「かなりしっかりしたホームページを作ったのに、お問合せ数が集まらない」
これはよくある話で、公開・配信当初からすぐに大きな効果が出るのは稀、と考えた方が良いでしょう。その理由は、広告配信を最適化する機械学習期間や検索サイトに評価されるまでに時間が掛かるためです。
しかし、いくらPDCAを回しても効果が見られない場合は、「そもそも論」として、母数の少ない顕在層ばかり狙っていることが根本的な原因であることも多くあります。
そこで本資料では、この解決策として有効な「ライトコンバージョン」についてご紹介します。
コンバージョン(conversion):訪問者がホームページの目標としているアクションを起こしてくれた状態のことを指します。一般的には「電話でのお問い合わせ」「お問い合わせフォームの送信」などを指します。
■関連資料
建設業界におけるエンドユーザー集客の極意
顕在層だけ狙っていると、数は頭打ちに…
「施工事例も写真映えに注意しながら更新している。
社員紹介ページやお客様の声も充実させて、訪問者の不安払拭に努めている。
ホームページの導線もフォームも改善した。
広告は中長期に渡って運用中で、適宜改善している」。
それでも問合せにつながらない場合は、母数の少ない顕在層ばかり狙っていることが考えられます。
顕在層とは、御社の工事に興味があり、成約確度の高い、とても温まっている状態の顧客のことです。もちろん顕在層を狙うのが一番効率的ですが、そもそもこの層は数が少なく、下手をすると「数カ月に1回しかお問合せが入らない」というケースも…。
そうなるとホームページ制作費の回収効率や広告の費用対効果も悪くなりますし、何よりも現場の数が欲しいときに仕事が入らない、という悪循環に陥ってしまいます。
ライトコンバージョン=ハードルを下げたゴール
この解決策として有効なのが、「お問合せ」や「見積り依頼」よりも数段ハードルを下げたゴール「ライトコンバージョン」(あるいは中間コンバージョン)の導入です。
ここで一度、顧客目線に立ってみましょう。数百万~数千万円という大きな工事を検討しているとき、ホームページの情報だけで、聞いたことのない会社に見積りや現調依頼をするのは勇気が要ります。特に個人の方にとっては一生に一度あるかないかの大きな買い物。決して失敗・後悔はしたくありません。
ゆえに、もう少し御社研究を重ねて信頼性を確認した上で接触を図りたい(…と迷っている間に時間が経って、たいてい忘れられてしまう)、というのが多くの方のパターンかと思います。
であれば、迷っている間に(御社への興味があるうちに)まずは名簿だけでも回収して囲い込む、というのが「ライトコンバージョン」の考えです。
何をもって、ライトコンバージョンとする?
ライトコンバージョンの「概念」はご理解いただけたと思いますが、少しイメージしにくいかもしれません。
分かりやすい例でいうと、化粧品やサプリの「無料サンプル送付」「無料お試しセット」などがあげられます(その後、獲得した名簿をもとに架電やDMで顧客醸成していきます)。
建設業界であれば、会社概要や成功事例集の無料送付、住まいのお手入れポイント資料送付、セミナーや個別相談会、間取り診断、ショールーム見学や完成見学会の参加などがあげられます。
集まりが悪いときは参加特典やノベルティを付けることで、迷っている人の背中を押すきっかけになり効果的です。よく見られるのは「住宅用洗剤一式」や「参加者だけの割引・値引サービス」。決して豪華である必要はなく、なかには「ティッシュ1箱プレゼント」(実質50円程度)という会社さんもいらっしゃいました。
「こんなもので?」と思われるかも知れませんが効果は絶大。ぜひお試し下さい。
イベント開催を楽にするコツ
「ライトコンバージョンを設けるのはいいけど、やっぱり大変そう」と思う方もいるかもしれません。
確かに資料作成やイベントは事前準備が少々必要ですが、実は内容自体は概ねいつもの業務(提案資料作成・商談・打ち合わせ・同行)ですので、難しくはありません。
とはいえ、これまで開催したことがない場合は不安ですよね。そこで、ちょっとしたコツを記しておきます。
セミナー
社内に打ち合わせスペースがあれば十分。席数に合わせて参加組数を制限・調整しましょう。入りきらないようなら、近くの公民館などを借りるのも手です。テーマは資金計画や間取りが人気。資料は使い回しで効率化を!
完成見学会
引き渡し直前の土日に施主の許可を得て開催。引越し前なら簡単な家具を用意(自社倉庫に汎用家具を揃えておくと便利です)。当日傷や汚れが付かないように手袋などを用意。万一に備えてリペアも検討しておきましょう。
ライトコンバージョン獲得への導線の作り方
資料請求は通常のお問合せボタン付近に同様のボタンを設置すれば良いですが、イベントについては開催のたびに認知と集客、そして申込ませる工夫をしましょう。
イベントについてのホームページ上の導線は
トップページ上部にバナー設置
➡クリックで特設ページへ誘導
➡ページ内下部のフォームから申込み
がBESTです。トップページにブログが表示される仕様であれば、ブログでも代用可能です。お問合せフォームを埋め込めなければ、ボタンで誘導しましょう。
認知・集客面では、チラシやポスティングはいつも使われていると思いますので、以下にインターネットでできることをまとめます。
バナーを制作できるようなら、ディスプレイ広告を中心にイベントごとに設定。バナー制作が難しければテキスト広告にしたり、ブログのリンクをFacebookに投稿し、それを広告配信する方法もあります。メールマガジンではOB客も配信対象に含めて告知すると良いでしょう。
温度の低い顧客への対応は?
ライトコンバージョンで名簿を獲得できたら、次はその名簿をもとに、顧客醸成(顧客育成)をして本来のゴール「成約」まで持って行きます。
おおよそ初回の接触時に、希望する工事内容や予算、時期などはヒアリングできていると思いますので、それをもとに個別にアプローチすればOKです。問題なのは、まだそこまで明確でない、温まっていないお客様です。
それぞれのお客様を丁寧に追えれば良いのですが、「そこまで手間は掛けられないよ」というのが本音かと思います。しかし顧客の業者選定にかかった期間を調べると、新築・注文住宅で平均4~9カ月間、リフォームでも1~3カ月間。結構な長期戦です。(出典:HOME’S/ホームプロ調べ)
つまり「まだ時期尚早」として追うのをやめるのではなく、ここは粘り強く接触を続けながら、チャンスを窺うのが正解になります。
さいごに
業者選定期間の長い住宅・リフォームに有効な、ライトコンバージョンについてご紹介してきました。
敷居を下げたコンバージョンで、潜在段階から囲い込むことが有効なのはご理解いただけたと思います。でもやはり、ひと手間は掛かるところや長期戦になる点はネックですよね。
そのあたりをテクノロジー面で支援するのが、いわゆる「マーケティングオートメーション」(MA)です。たとえば過去の見学会参加者へ定期的に案内メールを送ったり、その反応に応じてスコアリングし、営業のアタックリストに加えるなどがあります。
もちろんこれらは営業さんが手作業でできることを肩代わりする面もあるので、顧客数に応じて、効率のよい方法を選ぶことをおすすめします。
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