建設業界では、集客や求人にホームページを活用することが当たり前になってきました。これは一般顧客を対象とした工事店だけでなく、元請けを増やしたい下請けの工事会社さんにおいても同様の傾向が見られます。
ただ、一口にホームページといってもいろいろな種類や作り方があり、出せる効果もそれぞれ異なります。
そこで本記事では、貴社で目指したい目的に対してどんなホームページがあるのかご紹介します。目指す効果と適したホームページの導入で、貴社が抱える事業課題を解決しましょう!
建設業でも、ホームページで仕事や人材を獲得できるの?
そもそも、「建設業なのにホームページは必要なの?」「仕事の獲得につながるとは思えない」と疑問に感じる方もいらっしゃるかと思います。結論からいうと、建設業でもホームページやインターネットの活用は非常に重要です。
たとえば求人に関しては、Indeedをはじめ助太刀やパワーワークなど、オンライン上でやり取りをするサービスが普及しています。また、一般顧客の集客の例としては、注文住宅を検討する人の8割近くが、情報収集にウェブサイトを活用しているという調査結果があります。
また、下請けとして入っている工事会社さんも例外ではありません。過去の記事でご紹介しているように、「いつもの下請けさんが忙しかったり、ミスをしたりして業者を替えたいという方から、ネットで検索して依頼が来た」「東京の会社さんから『大分で工事ができる会社を探していた』と依頼があった」など、実際にインターネット経由で元請けを獲得するケースは当たり前になってきています。
つまり建設業も、集客や求人などの全方位で、インターネットの時代なのです。
■関連資料
建設業界におけるエンドユーザー集客の極意
インターネット集客の基盤となるのが「ホームページ」
建設業のインターネット活用において、求人・集客・元請け開拓といった目的を達成する上で最も重要なのが、集客基盤となるホームページの制作です。利用者にとってメリットのあるホームページを作り上げれば、多くの人に見てもらうことができ、目的の達成に大きく近づきます。
また、ホームページもただ作ればいいというわけではありません。一口にホームページといってもいろいろな種類があり、それぞれ目的も異なります。つまり、何をしたいのかを明確にした上で、それに適したホームページを制作することが重要なのです。
目的別ホームページの種類
ホームページの種類の選択を誤ると、せっかく作っても十分な効果を上げることができず、目的を達成できません。そこで、目的別に適したホームページの種類を確認しておきましょう。
集客・顧客獲得が目的のホームページ
集客や顧客獲得を目的とする場合は、かける期間や予算によって最適なホームページの種類が変わります。短期的な集客ではキャンペーンサイトやランディングページが、中長期的な集客ではサービスサイトやオウンドメディア、コーポレートサイトが適しています。
求人採用・人材獲得が目的のホームページ
新たな求人や人材獲得をしたい場合は、当然ながら採用に特化したリクルートサイトを作る必要があります。最近ではそれに加え、オウンドメディアを求人に利用するケースも増えています。
自社イメージ・ブランディングが目的のホームページ
自社のイメージアップやブランディングを図りたい場合は、ブランドサイトが有効です。また、より広い範囲の情報を発信するためには、コーポレートサイトも作り込んでおいた方がいいでしょう。
自社製品の販売が目的のホームページ
自社製品をインターネット上で販売したい場合は、ECサイトがおすすめです。ECとは英語の「electronic commerce」の略で、「電子商取引」を意味します。
このように、ホームページの種類や役割は実に多彩です。以下の項目では、各ホームページの役割や内容、成果を出すためのポイントをより詳しく解説します。
コーポレートサイト
コーポレートサイトは「企業サイト」とも呼ばれる、最も基本的なホームページです。いわゆる「公式ホームページ」「公式サイト」は、コーポレートサイトを指すと考えていいでしょう。
・コーポレートサイトの例(BRANU)
目的
コーポレートサイトの目的は、企業の紹介・案内をして「会社の顔」になることです。既存の顧客や取引先はもちろん、見込み顧客や求職者、金融機関、さらには従業員の家族や関係者、ステークホルダーなど、多彩なユーザーへの情報発信を想定しています。
掲載コンテンツ
会社概要、沿革、事業案内、経営理念、所在地、アクセス、社員・役員の情報などを掲載します。つまり、「どんなことをやっている会社なのか」をまとめる必要があります。
成果を出すためのポイント
コーポレートサイトはいろいろな情報を発信する関係上、どうしても目的を忘れてしまいやすい傾向にあります。作成の目的やメインターゲットをはっきりさせ、ブレないように制作・運用することが大切です。
サービスサイト
サービスサイトとは「事業サイト」のことです。コーポレートサイトから、商品やサービスに関する内容を抜き出して作成したホームページといえます。
・サービスサイトの例(BRANU)
目的
サービスサイトの目的は、商品・サービスの特徴やメリットを伝え、購入や契約につなげることです。主に潜在顧客・顕在顧客をターゲットとしており、特定の商品もしくはターゲットに絞って集客を行いたい場合や、商品の知名度を高めたい場合などに活用されます。
掲載コンテンツ
サービスサイトに掲載されるのは、商品の名称や特徴、メリット、価格、お客様の声、購入の流れなどです。資料請求フォームやお問い合わせフォームなどもよく設置されます。
成果を出すためのポイント
サービスサイトの制作では、ターゲット層が知りたい情報・気になる情報を積極的に発信することが重要です。誰にどういった情報を見せ、どのような行動を促したいのかを明確にしておきましょう。
ブランドサイト
ブランドサイトはサービスサイトと同じく、コーポレートサイトから商品やサービスに関する内容を抜き出したものです。サービスサイトと混同されることも多いのですが、運用の目的は少し異なります。
・ブランドサイトの例(無印良品の家)
目的
ブランドサイトの目的は、企業や商品の知名度とブランド力を高め、結果として商品・サービスの販売につなげることです。サービスサイトが商品の機能や価格といった「機能的価値」を伝えるのに対し、ブランドサイトはライフスタイルの充実や環境保護・社会貢献といった「感情的価値」を伝えます。
掲載コンテンツ
サービスサイトと同じく、商品の名称や特徴、メリット、価格、お客様の声、購入の流れなどを掲載します。それに加え、コンセプトや企業理念など、イメージアップにつながる情報も掲載する必要があります。
成果を出すためのポイント
ブランドサイトの目的は、一言でいえば「イメージアップ」であり、前述したようにユーザーの感情に訴えかけることが重要です。ユーザーに問いかけるような文章を記載し、メッセージ性を出しましょう。動画や画像などのビジュアルの活用も有効です。
ランディングページ(LP)
ランディングページは販促用サイトの一種で、紹介する商品やサービスを1つに絞ったものを指します。サービスサイトやブランドサイトを「カタログ」とするなら、ランディングページは「チラシ」です。
・LPの例(株式会社ユウ建装様)
目的
ランディングページの目的は、紹介している商品の購入やサービスの契約をしてもらうことです。紹介している商品が1つだけなので、まさに「それを売ること」が目的となります。
掲載コンテンツ
商品の概要や、利用するメリットとその根拠、ユーザーの声、疑問への回答、購入方法などを紹介します。基本的に1つのページのみで構成され、他のページに移動できません。また、一般的にはインターネット広告とセットで運用されます。
成果を出すためのポイント
ランディングページは特定の商品・サービスを売ることに特化しているため、商品の魅力を伝えることが非常に重要です。商品のメリットや利用者の感想、価格、購入の流れなどをわかりやすく紹介するといいでしょう。
プロモーションサイト
プロモーションサイトは、文字通り商品・サービスのプロモーション(販売促進)を行うためのサイトです。
・プロモーションサイトの例(横山浩介建築設計事務所)
目的
プロモーションサイトの目的はもちろん、商品・サービスの購入・契約です。まずは商品を知ってもらい、さらに興味を持ってもらい、最終的に購入につなげます。ランディングページをより強力にしたものと考えてもいいでしょう。
掲載コンテンツ
ランディングページと同じく、商品の概要、メリット、ユーザーの声、疑問への回答、購入方法などを紹介します。プロモーションのためにリアルイベントを開催する場合は、その場所や日時なども掲載する必要があります。
成果を出すためのポイント
プロモーションサイトでは、商品の特徴を前面に押し出した作りにするのがおすすめです。メリットを強調するのはもちろん、インパクトを持たせるためにエフェクトやビジュアルに力を入れるなど、ユーザーがワクワクするような演出を心がけましょう。
オウンドメディア
オウンドメディアは、さまざまなコンテンツを通じて商品や企業自体の魅力を発信するホームページです。本来は「その企業が保有するメディアの総称」という意味合いでしたが、現在はこの意味ではあまり使われなくなっています。
・オウンドメディアの例(株式会社テラジマアーキテクツ)
目的
オウンドメディアの目的は、コンテンツを通じて企業や商品を好きになってもらい、集客につなげることです。また、人材獲得に活用されるケースも増えています。
載コンテンツ
オウンドメディアに掲載されるのは、一言でいうなら「お役立ちコンテンツ」です。見込み顧客の悩みや疑問を分析し、それらへの答えとなるコンテンツを作成して、検索からの流入を狙います。結果として商品・サービスの認知度を高め、購入や人材獲得につなげるのです。
成果を出すためのポイント
優れたオウンドメディアを作り上げるためのポイントは、とにかく地道にコンテンツを増やしていくことです。蓄積されたコンテンツの質と量がそのまま力になるため、しっかりした集客ができるようになるまでには、少なくとも半年以上かかります。「作って終わり」ではなく、時間をかけて成長させましょう。
リクルートサイト
リクルートサイトは、求人採用・人材獲得に使われるサイトです。最近はインターネットを活用して求職活動を行う人が多いので、本格的な採用活動を行いたい時は、コーポレートサイトとは別にリクルートサイトを設けるケースが増えています。
・リクルートサイトの例(日本空調メンテナンス株式会社様)
目的
リクルートサイトの目的は、求職者に自社の特徴・魅力を発信して、求人への応募を促すことです。どのような人材を求めているのかを具体的に打ち出すことで、よりマッチした人材を獲得したり、応募してくる人の質を上げたりする意味合いもあります。
掲載コンテンツ
リクルートサイトには、待遇や応募要件といった基本的な情報の他、自社の魅力や求める人物像なども詳しく記載します。先輩社員へのインタビューや1日の動きなど、働き方が具体的にわかるコンテンツも重要です。
成果を出すためのポイント
就職先や転職先は、商品の購入と違って簡単には決定できません。そのため、求める人物像や働き方、自社に就職すると得られるものなど、求職者が知りたがっている情報を漏らさず伝える必要があります。リクナビ、マイナビ、ハローワークなど、他媒体には載せていない情報も掲載し、「この会社に入りたい!」と思ってもらえるようにしましょう。
ECサイト
ECサイトとは、つまるところ「通販サイト」のことです。ホームページ上で商品やサービスを直接購入・決済できます。
・ECサイトの例(株式会社サンワカンパニー)
目的
ECサイトの目的はもちろん、商品やサービスの購入によって売上をアップさせることです。いつでもどこでも買い物ができるため、気に入った商品があればすぐに買ってもらうことができます。現代の企業においては非常に重要な販売戦略です。
掲載コンテンツ
商品の価格や機能、メリット、お客様の声などを掲載するのは他のホームページと同様です。それに加え、直接商品を販売するという性質上、購入の流れや配送時の注意点なども詳しく記載する必要があります。もちろん、決済機能や商品の検索機能といった機能面も重要です。
成果を出すためのポイント
ECサイトでは、ほしい商品を自由に・迷うことなく探して購入できるよう、検索性や回遊性を高める必要があります。大量の商品を並べているだけだとどうしても見にくくなってしまうので、ホームページデザインや動線設計をしっかりと行いましょう。
メディアサイト(ポータルサイト)
メディアサイトは、言い方を変えるなら「お役立ちサイト」です。自社の商品やサービスに限らず、関連する「お役立ち情報」を提供します。
・メディアサイトの例(SUUMOジャーナル)
目的
メディアサイトの目的は、お役立ち情報によってユーザーの関心を引き、関連するサービスサイトなどに誘導することです。広告の掲載によって、単独で収益を上げられるようにするケースも増えています。
掲載コンテンツ
ポータルサイトは、テーマに沿った記事であれば幅広く掲載します。建設業界のポータルサイトであれば、建設関連の最新ニュースの解説や現場でのお役立ち情報、求人のコツ、建設業の歴史のような豆知識など何でもOKです。
成果を出すためのポイント
メディアサイトもオウンドメディアと同じく、蓄積されたコンテンツの質と量がそのまま力になります。すぐに成果が出るとは考えず、集客につながるようなお役立ちコンテンツを、時間をかけて増やしていくよう心がけましょう。また、情報量が膨大になりがちなので、適切なカテゴリ分けや検索機能の用意も重要です。
まとめ:ホームページはコンテンツが大事。目的+オウンドメディアが求められる時代
目的に応じたホームページを制作すると、集客や求人採用に大きな効果を発揮します。ホームページを多くの人に見てもらうためには、広告もしくは検索での上位表示が必要不可欠ですが、そのためには魅力的なコンテンツを構築しなければなりません。したがって、目的別のホームページ+オウンドメディア(もしくはブログページ)を作り、コンテンツを充実させていくのが最も効果的でしょう。
とはいえ建設会社様は、WEBマーケティングのノウハウを獲得する時間も、記事を執筆する時間もない場合が大半です。外注も視野に入れ、信頼できる会社をしっかり吟味して依頼するといいしょう。ホームページ制作と運用を一括で行える、実績豊富な会社に依頼するのが最もおすすめなので、ぜひご検討ください。
■関連資料
建設業界におけるエンドユーザー集客の極意