少子高齢化に伴う人材不足が、どの業種でも深刻化してきています。
帝国データバンクの発表によると、人材不足が原因の倒産件数は4年前の約3倍に増えているそうです。採用ではすっかり売り手市場、特に若手は社員でもアルバイトでも取り合いになっています。
今回は、そんな今だからこそ、自社サイトに採用ページを掲載するメリットと、どんなページを作成すべきかを解説します。
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求職者はほぼ全員スマホでチェックする時代
現在、どのような手段で人材募集しているでしょうか。若手採用を考えている場合、幼い頃からゲーム機やモバイル機器が手元にあったデジタルネイティブ、スマホネイティブの世代は、まず何でもネットで調べます。ハローワークで紙の求人票を見たり、タウンワークの誌面で求人欄を見たりというアナログな出会いであってもです。
その時、会社のオフィシャルサイトにクライアント向けの内容しかなければ、会社研究の役には立つかもしれませんが、求職者としての自分の興味を満たす内容がないので、印象に残らない可能性が高そうです。
そこで、採用したければ、求職者のための採用ページが必要なのです。
自社サイトに採用ページを作るメリット
採用ページをつくるメリットは数多くあります。
応募者の増加が期待できる
応募者はいくつもの候補企業の条件と情報を比べて応募する流れが一般的です。給与や休日などの条件は簡単に変えられませんが、企業の情報については、自社のホームページで増やせます。採用ページでしっかりアピールすることで、興味を持ってくれた人のうち、応募に至る人の数を増やす効果が期待できます。
モチベーションの高い人材が期待できる
応募者の数だけでなく、質も期待できます。採用ページで仕事内容や会社のことまで理解したうえで選んだ、モチベーションの高い人材を採用できる可能性が高まります。
通年で常時募集が可能
広告費用により掲載期間が決まる求人広告とは違い、自社ホームページ内であれば、常時求人情報を発信し続けることができます。急に新しい職種を募集する際などでも、すぐに追加変更できます。
検索から求職者が直接アクセスしてくることも
求人サイトや求人誌と合わせて、仕事を検索で探す応募者もいます。職種名+地域、業種名+地域などで検索する人は意外と多いものです。そこからの流入も期待できます。
採用費を大きく削減できる
Indeedなど無料で掲載できるWEB求人媒体からの流入もあります。そしてホームページを見て応募となれば費用は無料です。
採用ページに必要な内容とは
採用ページといっても、大企業のような立派なページは必要はありません。応募者目線で、応募者が本当に知りたい内容、まずは下の3つで充分です。
どんな人と一緒に働くのか?
経営者・先輩社員の写真やインタビューは興味を惹きます。年代が近い社員の有無は気になるので、写真や原稿で年齢構成がわかるようにします。
どんな仕事をするのか?
職場や現場、使うツール、仕事内容は、写真や動画で見せます。将来のキャリアステップや、社員の働きやすさ対策などもアピールになります。
どんな条件で働くのか?
求人サイト、検索、SNSなど様々なルートで見る人がいるので、勤務条件は必須です。そこに会社の将来を語る社長メッセージや企業の沿革、選考の流れなども入れておきます。
中小企業の採用ページ事例
最後に、中小企業の採用ページ例で参考になる事例を紹介します。ぜひ参考にしてみてください。
ランディングページ型採用ページ
ここ最近増えてきた、長いランディングページ型の採用ページです。京都市にある8人のクリニックですが、開院時間の短縮など働き方改革に力を入れ、採用ページも内容・デザインとも優れています。
・職場紹介
・特徴
・院長、医師、スタッフのインタビュー
・新人成長日記
・見学会、インターン(日給あり)告知
・求める人材像
・応募要項
・問い合わせ、応募フォーム
ソーシャルリクルーティングに注力
神奈川県川崎市のビル清掃で、政府の「中小企業白書」で取り上げられた採用成功企業です。ただ、自社サイトの採用ページは普通です。その代わり、流行りのソーシャルリクルーティングとして、Facebookの更新に力を入れています。
入社式、研修、新入社員の仕事レポートなど、就転職検討者には響く投稿が続きます。その努力もあり、3K的業種でありながら一定数の採用を確保し続けています。
大画面動画でアピール
中小企業ではありませんが、最後は動画をうまく使った採用ページをご紹介します。電子材料などの専門商社で、トップページのファーストビュー全面を使って、若手社員たちの奮闘ぶりを描いています。「商売は、容赦しない」と失敗も描く約3分の熱い動画です。職場、仕事内容、上司や先輩も見てわかるので、動画はアピール度の高いコンテンツです。ぜひ活用してみてください。
まとめ
求人活動は今やネットが主流。求人サイトも重要ですが、自社の採用ページ、そしてSNSも活用していきましょう。
「いつも募集しているわけではないので載せにくい」という声もありますが、「採用終了、現在は登録者募集中」と注記するなど、誤解を招かない方法はあります。就転職希望者への情報提供は常に続けておくことをお勧めします。
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