求職者へのアンケートから紐解く、建設中小企業のための求人サイトのつくりかた

     
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旺盛な建設需要が続く一方で、なかなか解決策が見つからない建設業界の「採用難」。「仕事はあるけど人はいない」という会社も多い中、特に「若手が採用できない」という声をよく耳にします。そこで今回の記事では、建設業界への就職率が高い工業高校生への就職アンケートの結果を分析! 回答から見えてきた若者の就職先選びの動向や求人専用サイトの必要性、その作り方を解説します。

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イマドキの工業高校生の「就職先の選び方」とは?

就職する応募者側の気持ちはなかなかわかりにくいもの。そこで、建設業振興会が行った意識調査データから、工業高校生が就職活動時に何を考えて決めているのか、見ていきましょう。

(出典:財団法人建設業振興基金|工業高等学校における就職意識等に関する実態調査|http://www.kensetsu-kikin.or.jp/database/pdf/kikin2018_1228.pdf

①就職志望は何業界?

工業高校生の志望先は、建設業界が70%と圧倒的多数を占めました。一般的に幅広く人気があるといわれる「公務員」よりも高い数値です。就業者の減少が深刻化している建設業界にとって、これは明るい材料といえます。

②志望業界を決めたきっかけは?

親や親戚、先生、先輩など、身近な存在を見て決めた学生が最も多く、「社会の役に立ちたいと思うから」という社会貢献的な動機が続きます。「手に職をつけたい」「体を動かすのが好き」といった建設業界ならではのきっかけも上位に並びました。会社のミッションや理念、キャリアアップのイメージといった提示が効果的ということになります。

③求人票で重視するポイントは?

働き方改革の時代らしく「勤務時間・休み」が1位。当然「給与」の数値も高くなっていますが、「初任給(月給)」よりは「年収」のほうが重視される傾向にあります。休日については完全週休2日制が難しい業界ですので、土曜日を休日出勤扱いにしたり、終業時間が早い点などを強めにアピールしていく必要がありそうです。

④志望する会社のホームページは見た?

6割が「見た」と回答。アンケートにこの質問が設定されていること自体、学生が就職活動にホームページを利用している傾向を表すといえるでしょう。

⑤就職活動中に「こんな情報があれば」と思ったことは?

・ホームページに実際の作業風景の動画があるといいと思う
・ホームページに入社1 ~ 2年くらいの社員の生の声があったらよいと思う
・パンフレットがあるとわかりやすかった
・会社に勤めている人の感想や、やっておいた方がいいことのアドバイス
・ホームページの内容が難しいように感じた
・職場の写真や作業中の写真が見れるパンフレットやホームページがあるといいと思う

紹介されているコメントの半数がホームページに関連する内容でした。この結果からもその必要性がよくわかる上、ホームページ作りに活かせる内容となっています。

求人専用サイトはこうしてつくる!

求人専用サイトの必要性

アンケートの「これから就職先を決めるにあたり、不安に思っていることは何ですか?」という質問には、以下のようなコメント並びました。

「複数の会社を見学できないので、最初からひとつに絞るのは不安」
「会社に対するイメージがはっきりしていないことが不安」
「今の段階では分からないことばかりが多くて、何もかもが不安」

学生の不安を払拭し、自社に興味を持ってもらうためには、より多くの納得のいく情報を提供することが必要だと言えます。

買い物をする際にも、スマホやパソコンで商品情報を収集して比較検討する時代。限られた文字情報しか掲載できないハローワークの求人票だけでは、仕事を決められないのは当然です。また、クライアントや顧客向けのコーポレートサイトだけでは求職者の要望に応えきれない上、クライアントには求人系の情報をあまり見せたくないという会社も多いでしょう。こういった理由から、コーポレートサイトの1コーナーではなく、求人専用サイトを用意する会社が増えています。

求人専用サイトのメリット

①応募者の増加が期待できる

求職者はいくつもの会社の条件と情報を比較して応募する流れが一般的です。給与や休日などの条件を簡単に変えることはできませんが、会社情報については、自社の求人専用サイトで自由に発信することができます。アピールのしかた次第で他社との差別化をはかることも可能なので、応募に至る人の数を増やす効果が期待できます。

②モチベーションの高い人材が期待できる

応募者の数だけでなく、質の向上も期待できます。求人専用サイトで会社のことや仕事内容をよく研究した上で応募してくるため、ターゲットに合う、モチベーションの高い人材を採用できる可能性が高まります。

③通年で常時募集が可能

広告費用により掲載期間が決まる求人広告とは違い、自社の求人専用サイトであれば、常時求人情報を発信し続けることができます。急に新しい職種を募集する際などでもすぐに追加変更が可能です。

④検索から求職者が直接アクセスしてくることも

求人サイトや求人誌と合わせて、仕事をキーワードで検索して探す求職者もいます。「職種名+地域」「業種名+地域」などの検索は意外と多く、そこから流入してくる応募も期待できます。

⑤採用費を大きく削減できる

例えばindeedなど無料で掲載できるWeb求人媒体にも求人情報を公開しておけば、そこから自社の求人専用サイトへ流入するケースも期待できます(各媒体の掲載文中に、求人専用サイトのURLやリンクを明記しておくと効果的です)。求人専用サイトがあれば、永続的に無料で採用活動を続けることができます。

求人専用サイトに必要な内容

サイトには無限に情報を掲載することができますが、大企業のような何ページ(何層)にも及ぶ立派なサイトを作るにはかなりの予算が必要です。でもご安心ください、1ページだけでも、工夫次第で説得力のあるページを作ることは可能です。要は、応募者が本当に知りたい内容を、応募者目線でどう伝えるか。アンケートの「こんな情報が欲しい・こんな事が不安」などのコメントも参考に、まずは以下の3つの内容を盛り込むことから始めてみるとよいかもしれません。

①どんな環境でどんな仕事をするのか?

仕事内容がわかる職場や現場の様子を写真や動画で見せると効果的です。

②どんな人と働くのか?

上司や先輩社員の写真やインタビューは興味を惹きます。年代が近い社員の有無は気になるので、年齢構成なども公開すると親切です。

③どんな条件で働くのか?

求人票としても通用する勤務条件は必須です。それによって、IndeedやGoogleしごと検索(Google for Jobs)に転載され、求人応募が入る可能性もあります。社長のメッセージや会社概要、選考の流れなどもよく見られています。

参考にしたい建設業界の求人専用サイト

他社の求人専用サイトを見習ったり、ヒントをもらったりすることは、より良いサイト作りへの近道です。印象的な事例をいくつかご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

山田建設株式会社

東京都大田区/マンション建設・分譲、ビル建築/社員数:82名(平成29年3月期)

(山田建設株式会社|リクルートサイト|https://www.yamada-kensetsu.co.jp/cms/saiyou/index.html

写真を大胆に使ったデザインが効果的な求人専用サイト。トップページのファーストビューで、会社の特徴や、各職種の写真と仕事のやりがいをパッと一目でわかるように見せていくので、引き込まれます。動画を作るとなると負担は大きくなりますが、写真とコピーだけでも同様の見せ方が可能だといういい例です。

多田建設株式会社

東京都江東区/建設工事の企画、設計、監理及び施工/社員数:308名(平成31年4月1日現在)

(多田建設採用サイト|https://www.tada-con.co.jp/recruit2/

トップページ全体がINDEXの役割も果たしていて、欲しい情報がすぐに見つかります。InstagramやPinterestといった写真SNS風のデザインで、応募者には馴染みがありそうです。元気で明るい社内の雰囲気が伝わる写真の選び方も効いています。インタビューでは、職場や仕事だけではなく、プライベートをイメージできる1日のタイムスケジュールを公開したり、「数字でわかる多田建設」というオモシロ企画で会社を紹介したりと細かな工夫が随所に散りばめられています。

株式会社和建設

高知県高知市/注文住宅、分譲マンション/社員数:112名(2019年8月末)

(和建設採用サイト|http://www.kano-kensetsu.com/recruit/

トップページのファーストビューを全面動画にし、次々と仕事内容を紹介してイメージしてもらうという構成。やはり動画のチカラは強いと実感するサイトになっています。会社概要も動画で紹介しているのも特徴です。ほぼ1ページだけのサイトですが、シンプルながらも知りたい情報がしっかり詰め込まれた見やすい作りになっています。

丸和建設株式会社

鹿児島県鹿児島市/注文住宅/社員数:72名

(丸和建設株式会社|リクルートサイト|https://www.maruwa-net.co.jp/new_recruit/

このサイトはインタビューがメインの構成です。しかも硬くなりがちなインタビューではなく、社員の対談形式にして、より本音が伺える形になっています。新卒社員の対談では、働き始めた実感や気づき、各課の上司の対談では新入社員の働きぶりや、仕事のやりがいなどをより本音が伺える形です。こちらもほぼ1ページものと言っていい構成ですが、1つの内容にフォーカスすることで、興味をひくサイト作りに成功しています。末尾にしっかり募集要項が掲載されているのもわかりやすく、IndeedやGoogleしごと検索に転載されやすくなります。

加和太建設株式会社

静岡県三島市/土木工事業、建築工事業/272人(2019年3月現在)

(加和太建設採用サイト|https://kawata-recruit.jp/

トップページのファーストビューに、社長からの手紙を載せた大胆な構成です。ビジュアル中心のサイト作りが主流の中で、逆に新鮮で、熱いメッセージが伝わってきます。情報やデータも大切ですが、まずは、真っ向から思いを伝えてみるのも一つの方法かもしれません。

終わりに

今や、求人活動・就職活動はネットが主流です。今回取り上げたアンケートでは、ホームページを見た学生は6割でしたが、この割合は今後ますます高くなると予想できます。求人専用サイトは新卒の学生はもちろん、転職希望者に向けての情報発信としても有効です。自社の強みや魅力をアピールできる“わが社ならでは”のサイト作りに挑戦してみてはいかがでしょうか。

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この記事を書いたライター
岸上直大

WEBマーケティングのコンサルティング提案、コンテンツ制作、WEB広告運用を中心に手掛けているディレクター&ライター。MA、SNS、BI、SEOなどのwebマーケティングからAI、IoT、ロボティクスといった新技術系まで幅広い知見があり、現在、世の中のWEBマーケティング格差を埋める新事業を計画中。

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