ホームページ制作・発注で節税できる!~建設会社が知っておくべき税務テクニックのまとめ

     
押さえるべき節税する方法サムネイルホームページ制作
ホームページ制作

「ホームページを導入したい」あるいは「今のホームページをそろそろリニューアルしたい」というタイミングの建設会社さんもいらっしゃるかと思います。

そのときに一番のハードルとなるのが、「ホームページ制作の費用」。もしそこで安く抑えたいなら、フリーランスの方に20~30万円程度で依頼する方法もあります。しかし、集客や求人といった効果を狙いたいのであれば、それなりの費用はどうしてもかかります。

結局、費用と効果のバランスをどこに持って行くかで悩むことになりますが、ここで少し見方を変えてみましょう。経理上、ホームページ制作費は経費として扱えます。つまり、損金となりますので、節税につながります。

ホームページ制作で、なぜ節税になるのか? その理由を解説します。

節税の強力な味方「経費」とは?

経費(必要経費)とは、簡単に言うと「仕事のために支払った費用」のことです。たとえば、賃貸オフィスの賃料や水道光熱費、事務用品や工具といった消耗品の購入費用、移動用の車両や重機の購入費用と燃料代、出張時の宿泊費や電車・タクシーなどの運賃、取引先を接待した時の飲食費などはすべて経費に該当します。もちろん、従業員の給与(人件費)も経費です。

では、なぜ経費が節税につながるのでしょうか? それは、企業が支払う税金である「法人税」が、売上から経費を差し引いた「利益」をもとに算出されるからです。経費がたくさんかかっていれば、その分利益は小さくなります。結果として、支払うべき法人税の金額も抑えられるのです。

ホームページにかかる費用は経費として扱える?

ホームページにかかる費用については、経費として計上していいのかどうか迷う場合もあると思われます。建設業者であれば「うちは通販をしているわけでもないし、ホームページなしでも仕事はできるし、大丈夫なの?」と感じる方もいるでしょう。しかし結論から言うと、ホームページ関連の費用は問題なく経費として計上できます。

計上する際の勘定科目(経費の名目)は、一般的に「広告宣伝費」が使われます。これは一般的なホームページが告知・宣伝・集客を目的としており、広告と同じ役割を果たしているからです。また、ホームページは頻繁に更新(施工事例やブログの投稿など)されると考えられるため、最初の支出である制作費の効果は1年以上に及ばないとみなされ、金額を問わず一括損金として計上できます。

逆に言えば、最低でも1年以内に更新しなければ、長期的に使うものだとみなされ、減価償却をしなければならないということです。この場合ホームページ制作費は「繰延資産」として扱われます。せっかく作ったホームページを有効活用する意味でも、1年以内の更新を計画に入れておくといいでしょう。

さらに、ログイン機能やショッピング機能、商品の検索機能などが付いている場合はソフトウェア(無形固定資産)とみなされるため、5年間かけて減価償却を行う必要があります。ECサイトなどはこのパターンです。

ただし、楽天などのクラウド型は広告宣伝費/賃借料で処理できます。クラウド型でなくても、無形固定資産は償却資産税(固定資産税)申告の対象外なので、処理の負担はそこまで大きくありません。減価償却に多少の手間がかかる程度です。

ホームページに関わる経費の勘定科目

前述したように、ホームページの制作費や維持管理費は、勘定科目を広告宣伝費として処理するのが一般的です。ホームページの更新・メンテナンスにかかる運用保守費や、検索エンジンでの上位表示を目指すためのSEO対策費なども、広告宣伝費でOKです。しかし、運用にあたって細かな更新・保守管理をする場合や、補助金を利用してホームページ制作を行った場合などは、勘定科目が広告宣伝費以外になるケースもあります。

たとえば、ホームページのデータを保管しておくサーバーのレンタル費用は、電話やインターネットの使用料と同じく「通信費」として処理します。インターネット上の住所にあたるドメインの取得費は、通信費・広告宣伝費・支払手数料などいろいろな勘定科目で計上可能です。ただし、一度この勘定科目を使うと決めたら、途中で変更してはいけません。

また、通信を暗号化するためのSSL証明書の取得費は、少額なら通信費として処理して構いませんが、高額であればソフトウェアとして資産計上・減価償却することもできます。

ホームページ制作費による節税のテクニックと費用削減方法

ホームページの制作費は、経費として計上するだけでも大きな節税になります。しかし、もう少し工夫を加えれば、節税効果をさらに高めることが可能です。また、補助金などを活用すると、制作費そのものを抑えることもできます。それでは、どのような会社でも使えるテクニックを見ていきましょう。

開業・法人化の際にホームページを導入する

開業したり、個人事業主から法人化するタイミングにあわせてホームページを導入すると、効果的に節税ができます。なぜなら、開業前のホームページ制作費は「開業費」として扱われるため、経費計上のタイミングの自由度が高いからです。

開業費は税法上の「繰延資産」に該当し、経費化は5年間で「均等償却」するか、自由なタイミングで一括して「任意償却」するかを選択できます。たとえば、ホームページ制作に50万円かかったのであれば、10万円ずつ5年間かけて償却するか、好きな時に50万円まとめて経費計上するかを選べるのです。

この仕組みを活用すると、開業1年目は赤字になったので経費化を見送り、2年目以降の黒字になった年度に一括で計上する…といった柔軟な処理ができます。このようなことが可能な経費は開業費くらいしかありません。開業当初は、経営が厳しいケースが多いことへの配慮と考えられます。

この制度を最大限に活用するためのポイントは、開業届をなるべく遅めに出すことです。たとえば、賃貸オフィスに入居した日ではなく、実際に営業を開始した日を開業日にすると、より多くの費用を開業費にできます。ホームページが一旦完成しても、すぐに更新や修正が必要になるケースは多いので、できる限り開業費に含められるようにしましょう。

ホームページ導入時に活用できる補助金

国などの補助金制度には、ホームページの導入に対応しているものがいくつかあり、それを活用すると制作費を抑えることができます。代表的なのが、ITツールの導入を支援する「IT導入補助金」です。中小企業や小規模事業者を対象としており、ホームページだけでなく業務管理システムや会計ツールなどの導入にも使えます。

ただしこの補助金を活用する際は、IT導入支援事業者として認定を受けている制作会社に依頼する必要があります。業者選定時に注意しておきましょう。なお弊社ブラニューはIT導入支援認定事業者ですので、IT導入補助金を活用できます。

また、生産性向上を支援する「ものづくり補助金」や、日本商工会議所が提供している「小規模事業者持続化補助金」、新型コロナウイルスの影響を受けている企業を支援する「事業再構築補助金」なども活用可能です。地方自治体にも、ホームページの作成費用補助金制度を用意しているところが多いので、地元の制度を調べてみるといいでしょう。

クレジット払いにもメリットあり

ホームページ制作会社の中には、費用のクレジット払いができるところもあります。クレジット払いのメリットは、毎月の支払い(経費)を安く抑えられるので、売上が少なかったり不安定だったりする時期でも安定した経営を続けられることです。決済から引き落としまで1~2ヶ月期間が空くため、キャッシュフロー(現金の流れ)の改善も期待できます。工事が天候に左右され、売上が不安定になることもある建設業界ではとても魅力的です。

また、明細があるので何にお金を使ったのかがわかりやすく、経理処理が楽になるというメリットもあります。経費専用の事業用クレジットカード(ビジネスカード・法人カード)を作り、経費の支払いはすべてそのカードで行うようにするといいでしょう。不自然な使用があった場合も一目でわかります。

もちろん、事業用クレジットカードでも、ポイントや特典は個人向けクレジットカードと同様に付きます。ポイントはカードの利用金額の支払いなどに使えるので、経費削減につながるでしょう。ビジネスシーンで活用できる特典もいろいろあり、割引サービスなどが受けられます。こういったメリットから、ホームページの制作はクレジット払いが可能な会社に依頼するのがおすすめです。

1番大切なのは費用対効果です!

ホームページの導入は、節税策として大いに効果を発揮します。ただ、せっかくホームページを作るのですから、単なる節税策として終わらせてしまうのはもったいない話です。事業の将来を考えると、集客や知名度アップなどの効果が見込めるよう、しっかりとホームページを作り込んで運用するのが望ましいでしょう。

また、節税策になるとはいえ、ホームページの制作にはまとまった費用がかかります。制作にあたっては費用対効果を重視し、投じる費用に見合ったホームページを作り上げなければなりません。そのためにも、十分な実績や技術力のある制作会社に依頼するのがおすすめです。素敵なホームページを作って、節税とホームページの効果を両立させましょう。

     
この記事を書いたライター
政所健司

建築専門出版社にて住宅誌の編集長を歴任。国交省・住宅金融支援機構・NEDO等の広報誌制作業務に参画後、LIXILリフォームショップFC店の企業広報を経て現在BRANU株式会社にてマーケティングを担当。「現場で一番汗を流している人たちこそ主役に」という考えのもと、中小零細企業へのIT支援・DX支援・事業支援を通じて建設業界の古い産業構造の改革を目指す3児の父。

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