ホームページを担当していると「WEBマーケティング」「ネット集客」という言葉を多く目にするかと思います。これは何もIT関連業種だけでなく、リフォーム会社、工務店、塗装工事店のほか、足場や土木工事などのBtoBの建設業種においても、必ず通らなければならない道といえます。
そこで本記事では、「そもそもWEBマーケティングとは?」という基本を解説します。
初心者でもわかるWEBマーケティング!
BRANUは、中小の建設・建築・リフォーム・専門工事会社のホームページ制作やWEBマーケティング運用のお手伝いをしています。お客様と話していると、「WEBマーケティング」という言葉を聞いただけで、「難しそう」と腰が引ける方を多く見かけます。
確かに簡単ではありませんが、ネット時代はもう後戻りすることはなさそうですし、Webマーケティングは企業にとって必須業務のひとつになるでしょう。一度基本だけでもいいのでわかっていただきたいと考えて、なるべくわかりやすく、専門用語は解説を入れて、実践的な内容をシリーズでお届けします。
そもそもマーケティングとは?
「マーケティング」という言葉、以前は市場調査や消費者調査、つまりマーケティング・リサーチを意味することが多かったと思います。今ではそもそもの英語の意味通り、もっと広い意味で使われています。
調べれば難しい定義がいろいろ出てきますが、実感値として近いのは、これですね。
マーケティングとは、「儲け続ける仕組みを作ること」
(引用:マーケティングとは?定義と戦略や戦術の違い|All About )
もう少し詳しく言うと、「どういう人をお客様とし、何を自社の強みとするか決めて、どういう手段でそれを広め、どういう方法でお客様を獲得し、売上を上げていくのか」を仕組み化することです。
(1)お客様(顧客)を決める
お客様になってほしい、なってくれそうな人や会社を絞ります
(2)自社の強みを決める
他社とどこが違うのか、掘り下げます
(3)手段を決める
チラシ、DM、ホームページ、SNS(FacebookやLINEなど)、メールマガジン、イベントなどの手段のうち、どれをどう組み合わせて使うか決めます
(4)売上を上げる
営業手段や契約方法などを決めます
この4つを決め、実行し、改善を続けていくのがマーケティングです。
では、WEBマーケティングとは?
WEBマーケティングは、その仕組みづくりを、インターネットで行うことです。具体的には、ホームページ、SNS(FacebookやLINEなど)、WEB広告、メールマガジンなどを使って自社を知ってもらい、契約まで進めることになります。
究極の目標は、経営の神様であるピーター・ドラッカー(Peter Ferdinand Drucker,1909-2005)が言う「マーケティングの理想は、販売(営業)を不要にすることである」(著書「マネジメント」より)という状態です。
つまり、「自分から売り込むのではなく、お客様から買いに来てくれる状況」を目指しましょうということです。気に入ってくださったお客様の紹介だと話が早いし、契約が決まりやすいという経験があるかと思います。その状況をネットでつくるのです。
たとえば私は今、外車ディーラーのWEBマーケティングを企画部分から委託されています。誰もが知っているブランドメーカーのディーラーです。ホームページやブログを見た社長様からご連絡があり、営業が1回、私も同行して1回打合せに行き、その場で値引きも一切なく契約が決まりました。もしこちらから電話や訪問などで営業していたとしたら、このスピードと好対応はなかったでしょう。それぐらい「売り込む」か「買いに来てくれる」かでは違います。
知っている会社では、ホームページからの問い合わせや申し込みが多いため、実際に自分から売り込む営業活動を止めてしまったところもあります。社員25人ほどの会社でしたが、業績好調で今では150人を超えているそうです。
Webマーケティングの特徴
インターネット登場以前は、「マーケティング」という言葉を聞くことはそれほどなかったと思います。それがなぜ「Webマーケティング」がこれだけ流行っているのか。それは、資金や人員が少ない中小企業や個人でも取り組みやすいからです。数多くのメリットがあります。
Webマーケティングのメリット
- 思い立ったらすぐに行える
- コストが安い。無料のツールやサービスも多い
- お客様や未来のお客様と双方向に直接やりとりが可能
- 反応がダイレクトに、しかも数字でわかるので改善しやすい
- 世界中をお客様にできる
Webマーケティングのデメリット
- こちらの顔が見えないので信頼されるまでに時間がかかる
- 手触り、におい、味などが伝わりにくい(たとえば壁紙の手触りなど)
- 技術の進化が早いので、付いていくのが難しい
Webマーケティングの工程
実際にWebマーケティングとはどういうことをするのかも見ていきましょう。大きく分けて、
集客→接客→商談→成約
という4つの工程に分けることができます。工程自体はネット以外の普通の営業と同じです。
(1)集客
未来のお客様を自社のホームページやSNSに集める工程です。
- ホームページ(Webサイト)制作、改善
- LP(ランディングページ)制作、改善
- SNS開設
- ネット広告
- SEO対策(検索で表示される順位を上げる施策)
(2)接客
集めた(アクセスした)方に「いらっしゃいませ、ご用件を伺います」と対応し、何を求めているかを知り、それに合った対応をすることです。ネットでもできるんです。
- アクセス解析(何を求めてアクセスしているのか分析)
- ニュース告知
- メールマガジンやホワイトペーパーで個人情報取得
- MA(マーケティングオートメーション)ツールによる接客
- Web接客ツール(クーポン表示やチャットなど)による接客
(3)商談
自社のこと、商品やサービスをじっくりと知ってもらう工程です。
- 企業ブログ
- SNS運用
- メールマガジン(メルマガ)
- ステップメール(メルマガに似た仕組みで、順を追って自社をアピールする一連のメール)
(4)成約
問い合わせ・資料請求・契約・購入を後押しする工程です。Webマーケティングでは「CV(コンバージョン)」と呼ばれます。
- 特別割引などのクーポン、オファー
- CV手段の多様化
- 問い合わせページ最適化(EFO=エントリーフォーム最適化)
中小企業が勝つためのWEBマーケティング 3箇条
と、一気に説明してきて、だんたん難しくなってきた気がしますが、ご安心ください。最後に中小企業がWEBマーケティングで成功するための心構えを紹介して締めたいと思います。
(1)全部はできない、必須のものに絞る
上のパートでWEBマーケティングの施策をたくさん並べましたが、どういうものがあるのか全体像を知っていただきたかっただけで、全部行う必要はありません。大手企業でもすべて行ってる企業は多くありません。中小企業の場合は一点突破で何かに絞り、成功したら他に広げるぐらいの感覚でいいと思います。絞る際の基準は、「お客様と自社の強み」を考えて、効果が期待できるかどうかです。
(2)担当者は営業責任者
担当者を「コンピュータに詳しそうな若手」「キーボードを打つのが早い総務スタッフ」に決めるのは、失敗するパターンです。WEBマーケティングは営業活動だと考えて、実務は若手でもいいですが、責任担当者は営業マネージャーもしくは社長が適任です。
(3)実社会以上に顧客第一で
ネットのお客様は、対面のリアル社会より広告に我慢してくれません。ネット内では個人で匿名という感覚で行動するので、広告臭かったり役に立たなければ、あっさり離れていきます。リアル社会以上にお客様の心理を考えて、役立つ情報、面白い情報、お得な情報を届けなければ失敗します。
WEBマーケティングは正直なところ手間はかかりますし、最初に我慢が必要ですが、それほどお金をかけずに実現できます。ぜひ始めてください!