工務店・リフォーム店のチラシ集客|相場や反響を増やすコツをご紹介

     
反響を上げるチラシ活用術サムネイル集客
集客

工務店が施主を呼び込むためには、集客活動が必要不可欠です。そして、昔からある集客方法としてチラシやポスティングというものがあります。

チラシは小規模の範囲にいる見込客にアプローチするには非常に効果がある集客方法です。

ですが、

  • 他のチラシに紛れてしまう
  • 見られず捨てられてしまう

など、デメリットがあります。

本記事では、チラシ広告の特徴や相場、反響を増やす秘訣などをご紹介します。

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チラシやDMの種類・特徴・相場

チラシやDMの種類は、大きく3つに分けることができます。 それぞれのメリット・デメリットを表にまとめると、以下のようになります。

では、それぞれを詳しく見ていきましょう。

折込チラシの特徴と相場

チラシの王道といえば、新聞の折込チラシといえます。年配の方や主婦に多く見られる傾向があるので、たとえば住居を購入して20~30年ほど経過しているリフォーム・修繕需要層への訴求に有効です。

考えないといけないのは、媒体によって客層が異なる点。リベラル派のイメージの多い日経・朝日・毎日に比べて、庶民派の読売・産経と言われています。貴社の狙いに合わせてうまく掛け合わせる工夫が必要です。

また近年は電子版に移行し、若者の新聞離れも懸念材料です。20~30代に需要が多い新築・分譲・注文住宅を販売している会社さんは、ネット広告を検討したほうが良いかもしれません。

費用は半径5km圏内・3万部配布で15~20万円程度。 半径を狭めて複数媒体でローラー作成をすることも常套手段です。

【折込チラシの広告例】
顧客層:高齢層・主婦層
配布数:3万部
エリア:半径5km圏内
費用感:15~20万円

 ポスティングの特徴と相場

ポストにチラシを投函するのがポスティングです。ポストに入るものであれば形状は自由。チラシからパンフレット、冷蔵庫に貼れるマグネットタイプの広告なども配布できます。

ポスティングの一番のメリットは、実は高度にシステム化されて「いない」点。人力によるアナログな配布なため、「屋根/外壁が傷んでいる戸建て」「古いマンション」など、細かく狙い撃ちができて無駄撃ちも減らせます。
課題は、ポストに「チラシお断り」といった表示のある住居への配布ができない点。また、印刷とポスティングで業者が異なる場合は、発注タイミングに注意が必要な点です。

費用は、A4両面カラーのチラシを1万部配布する場合、印刷費で5万円、ポスティング費用で10万円といったところで、新聞折込よりも高いですが、ターゲットを細かく狙える点で優位です。

【ポスティングの広告例】
顧客層:築古物件など指定可能
配布数:1万部
エリア:半径2km圏内
費用感:15万円

 郵送/宅配DMの特徴と相場

こちらはポストに投函される郵送物を指します。かつては住所・氏名が特定できないと配布できず、リスト業者から住所録を購入する必要がありました。現在は住所録不要、エリア単位や集合住宅単位での郵送もできますので、以前よりも費用を抑えられています(日本郵便「タウンメール/タウンプラス」、クロネコヤマト「クロネコエリア便」など)。

新聞折込と異なり媒体に左右されないので、若年層への訴求も可能です。課題は配布できる形状に制限がある点、集合住宅単位で細かく指定する際は不動産情報などから築年数・分譲/賃貸などを割り出す必要がある点です。

費用は、A4両面カラー1万部を配布する場合、印刷費で約8万円、配送料でおよそ40万円。他の媒体と比べて費用が割高なので、確度の高いターゲットに絞り込み、部数を抑えることをおすすめします。

【郵送/宅配DMの広告例】
顧客層:物件/地域を指定可能
配布数:1万部
エリア:指定物件/丁目
費用感:48万円

チラシの費用対効果は?

お問合せを取りに行く手段とはいえ、それなりの費用をかけるので、費用対効果は気になりますよね。そこで、具体的な数値を調べてみました。

日本政策金融公庫によれば、一般的に新規開拓時のDMの反響率は0.01~0.3%とのこと。ただしこれは幅広い業種においてのことですので、具体的に建設業の実例を見てみましょう。

都内の地元密着のリフォーム会社さんの場合、 7,000部のチラシをポスティングしたところ、反響2件だったそうです。つまり反響率は0.02%。 掛かった費用は13万円とのことでしたが、結果、お問合せ2件のうち1件受注できたので、十分元を取っているそうです。
もちろん、配布先を十分精査したうえで実施しての数字ですので、相応の工夫が必要なのことは間違いありません。

ではチラシ/DMの反響について、もう少し詳しく見てみましょう。下記の調査結果は、DMの反響についての数値です。実際に送ったDMが、どのような行動に結びついたのかについて追跡・分析されています。

出典:一般社団法人 日本ダイレクトメール協会「DMメディア実態調査2020」

この表で注目したいのは、「購入した/資料請求した/問合せた」といった、いわゆる「反響」といわれる行動の総数が4.5%である一方、「ネットで調べた」は、それを超える6.7%も存在する点です。

つまり、チラシを見たけどお問合せまで行かなかった顧客予備群を「ホームページで十分拾える」「温め続ければ工事受注までつなげられる」ことを意味しています。このように、複数の媒体を横断しながら顧客予備群を工事受注・成約まで追い込んでいくことを、業界用語で「クロスメディア戦略」と言っています。

チラシの反響率を上げるためのポイント

高額な住宅やリフォームは、基本的には即決で注文されることはなく、中長期間の検討を経たのちに成約につながるのが一般的です。

そのためチラシで「注文住宅をオーダーしませんか?」と謳っても響かないことがほとんどです。

そこでチラシのゴールを「購買」といった読者に取ってヘビーなものにするのではなく、「相談会や見学会のご招待」などライトなものに設定することをおすすめします。

まずは「弊社を知ってもらおう」「弊社にちょっとでも好意を持ってもらおう」という目的から始めるのが良いでしょう。ただしそこで少しでも反応があった顧客には必ず連絡を取って、潜在段階から早々に囲い込んでおきましょう。

1度だけではなく同じ人々に数回チラシを巻く

1回ポストにチラシを投下しただけでは、読まれないで捨てられる可能性も高くなります。その解決策の1つは、同じ人に複数回チラシを配ることです。

チラシポスティングの専門業者の記事によると、1度のチラシ配布よりも2回3回と配布回数を増やす方が反響度が伸びるという結果が出ています。

複数回の定期的なチラシ配布を行ったところ、1回では0.01~0.3%の反響率が、複数回の定期的なチラシ配布を行ったところ2%~3%伸びた店舗もあるとのことでした。

大企業が何回でも繰り返しテレビCMを行うように、チラシで複数回宣伝するのは集客における基本戦略と言えます。

チラシ配布の頻度を上げる

また上述のチラシポスティング業者によると、配布回数も大事ですが、配布頻度も大事と明言しています。

心理学者のエビングの実験によると、人間は1回暗記しようとした情報でも、30分経過すると約4割のことを忘れると言われています。

さらに、1日を経過すると全体の7割の情報が脳から消えてしまいます。

情報が記憶から消えてしまうのを防ぐ方法に、同じ情報に触れる回数を増やすという方法があります。 1回だけの情報ではすぐに忘れてしまいますが、2回・3回・4回と反復をすることで徐々に物事を忘れにくくなります。

例としてはテレビCMが挙げられます。1回見ただけでは記憶に残らなかったCMが、2回・3回と視聴することで、自ずとCMのフレーズを口ずさむようになっていたりしませんか?これは情報への接触回数が増えたことで記憶が脳に定着したからです。

チラシも同じで、1回の配布では、「こういう施工をしてくれる工務店がある」という情報すら忘れられている可能性があります。ですが、複数回配布することで御社の認知を上げることは可能です。

御社の認知度が低い時には、チラシの配布頻度を増やして”知ってもらう”ように努めましょう。

チラシの反響を増やすためにホームページは必要?

TV-CMで「続きはWEBで!」というのを見たこともあるかと思います。実は今の時代、この他媒体を横断する「クロスメディア」に効果があることが実証されており、一般的になってきています。

相応の費用を掛けてチラシを撒く以上、少しでも費用対効果を上げるためには当然の施策です。

上述のグラフを参考に考えると、「続きはWEBで!」となるための場所としてホームページを用意することが有効です。チラシとのクロスメディア・相乗効果が見込め、機会損失も費用のムダを減らすことにも繋がります。

もしホームページを既にお持ちで反響がない場合は、メリットを十分活かせていない可能性がありますので、ボトルネックがどこにあるのか、点検・調査することをおすすめします。

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この記事を書いたライター
政所健司

建築専門出版社にて住宅誌の編集長を歴任。国交省・住宅金融支援機構・NEDO等の広報誌制作業務に参画後、LIXILリフォームショップFC店の企業広報を経て現在BRANU株式会社にてマーケティングを担当。「現場で一番汗を流している人たちこそ主役に」という考えのもと、中小零細企業へのIT支援・DX支援・事業支援を通じて建設業界の古い産業構造の改革を目指す3児の父。

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