ホームページ制作の流れと相場~建設業界編|準備のステップや手順、注意点のまとめ

     
ホームページ制作
ホームページ制作

スマートフォンやタブレットの普及により、インターネットで情報収集する生活スタイルが国内で定着してきました。特に近年は年配の方への普及が目覚ましく、総務省によれば2019年の時点ですでに、60歳代で9割、70歳代で7割以上がインターネットを利用しているという調査結果も発表されています。

この傾向はコロナ禍による外出自粛により、さらに加速しています。生活用品をネットで注文するのに抵抗がなくなり、自動車やマンション、住宅のような「一生に何度もない高い買い物」でさえ、インターネットで情報収集して購入を決めています。

分譲マンション購入は、約半数がインターネットで情報収集しています。|出典:国土交通省 住宅局「平成30年度住宅市場動向調査」より

このような「オンライン化」の流れは、建設業のBtoB型の企業活動でも同様の傾向が見られます。工務店やハウスメーカー、ゼネコンでも、施工・下請けしてくれる業者をインターネットで探す動きが見られます。

これまでに工務店を中心に5件の新たな元請けを、ホームページ経由で獲得できました。いずれも、今までお願いしていた先が忙しかったり、ミスしたりして業者を替えたいというときに、WEBで検索してうちを見つけたという感じでした。
                   (MSI様|シーリング工事・東京都足立区

世の中の消費行動や企業活動が「まずはオンラインで」となりつつある今、企業にとってホームページを持つことは当たり前。むしろ事業戦略を考えるうえで、ホームページを基点とした事業戦略・WEB戦略を立てる時代に突入しています。

そこで「まだホームページを持っていない」という場合はホームページ制作を検討することになりますが、制作会社によって費用も効果もさまざまで、非常に大きな幅があります。もしも「名刺代わり」「看板代わり」という「とりあえずあればいい」という目的でホームページを作成するのであれば、「Wix」や「Jimdo」、あるいは「Googleサイト」といった無料のツールをおすすめします。ご自身でページ作成する必要があるので手間は掛かりますが、何より費用が一切不要なのが魅力です。

でも、もしホームページで顧客を集客したい、工事のお問い合わせを獲得したい、あるいは求人応募を獲得したいのであれば、ホームページ制作は信頼の置ける制作会社に依頼することをおすすめします。ノウハウのある制作会社であれば、導線設計や検索サイト対策などをしっかりと対応でき、その後の結果が大きく変わってくるからです。

しかし、初めてホームページの制作を外注するという建設会社さんにとって、「どんなことに気をつけるべきか?」「どんな準備が必要なのか?」など、分からないことも多くあるかと思います。

そこで本記事では、ホームページ制作を依頼する際に準備すべきこと、依頼先の選び方や費用・相場、ホームページ制作の流れなど、ホームページの制作時に必要な情報や注意点を網羅してみました。

ぜひ参考にして、貴社の目指す「理想のホームページ」を完成させてください。

依頼前に準備しておきたい5つのSTEP

建設業に従事されてる方の中には、現場が忙しくてなかなかまとまった時間を取りにくい方も多いかと思います。でも、ホームページ制作のすべてを依頼先へ丸投げするのはおすすめできません。それは完成イメージの齟齬や依頼先とのトラブルを回避するためだけでなく、ホームページで効果を出すために「最低限決めなければならないこと」があるためです。

そこで、依頼主としてホームページ作成のために準備しておくべきこと、決めておかなければならないことをまとめてみました。

STEP 1. ホームページの導入目的・目標を決める

ホームページ作成で一番大事なのが、「ホームページを作る目的」「ホームページを開設する目的」を決めることです。

ここでのポイントは、漠然とした抽象的な要望よりも、できるだけ具体的な数値などを交えた目標を掲げること。そのほうが、依頼先との「共通項」「共通認識」として、ブレにくい明確な目標になるためです。

たとえば

  • 女性受けするホームページを作りたい
  • ライバルの〇〇社よりも、良いホームページにしたい

といった抽象的な目標よりも、

  • ホームページを訪問する男女比を現状の4:6から6:4に逆転させたい
  • ホームページ経由のお問い合わせを現状+5件/月増やしたい

といった具体的な数字を挙げて伝えた方が、制作側も「それなら、〇〇〇という手法・作戦が使えます」といった引き出しを提案することができ、より目的を遂行しやすいホームページに近づけることができます。

このように具体的な目標設定をおすすめする理由は、ホームページが「戦略ツール」になり得るからです。そのため、ホームページ制作を外部の業者へ依頼する際は、貴社の事業計画や事業目標と擦り合わせながら、ホームページで目指す目的・目標を考えるようにしてみてください。

中には「ホームページを導入するのが初めてなので、具体的な目標数字や目安がまったく見えない」という方もいらっしゃるかと思いますが、「1年後、2年後に」などでも結構です。貴社にとっての「あるべき姿」「なりたい姿」をひとまず明確にしておきましょう。

STEP 2. ホームページのペルソナ(顧客像)を考える

ペルソナとは、貴社の「典型的なお客様像」のことです。建設業においては、仕事を振ってくれる元請けや取引先像、あるいは直接工事依頼を申し込んでくれる施主像などです。

今回はホームページ制作の話ですので、もしリアル店舗とホームページで客層が異なる場合は、ホームページから工事依頼してくるほうの顧客像を決めることになります。同様に、ホームページ作成の目的が「人材獲得」の場合は、求人応募をしに来て欲しい人物像。協力業者を募るホームページにしたいのであれば、つながりたい協力業者像になります。

ペルソナが明確に定まっていないまま制作が進んでしまうと、「こんなはずではなかった」といったトラブルの原因にもなりますし、仕上がりについても、誰に何を伝えたいホームページなのか、まったくわからないものが出来上がってしまいます。そうなると、せっかくホームページにたどり着いてもらえたのに、「あ、自分が探してるのと違ったかも…」ということでページを閉じてしまい、集客数アップやお問い合わせ数の増加といった貴社の目標を達成することが難しくなってしまいます。

「ペルソナって、そんなに重要?」と思われる方もいらっしゃるかと思いますので、一例としてリフォームを検討されている客層という設定で想定してみましょう。

ペルソナAペルソナB
性別女性女性
年齢35歳60歳
職業アルバイト地方公務員
年収300万円900万円

少し大げさな比較になりますが、同じ女性向けにホームページを作るにしても、年収や年齢が異なれば、それぞれに適したアプローチ方法は全く異なります。若い世代向けであれば子供部屋増設の需要があるかもしれませんし、年配の方向けであれば、減築やバリアフリー工事といった訴求をしたほうが、お問い合わせ数を多く獲得できる可能性があります。

ペルソナが異なれば、ホームページの作り方も大きく変わってくることをご理解いただけたかと思います。繰り返しになりますが、ペルソナがしっかり決まっていれば、ホームページ制作会社も持てる能力をいかんなく発揮できます。逆にペルソナがふわっとしている場合は、互いに手探りで進めざるを得ず、「こんなイメージではない」「もっとこうでしょ?」といった擦り合わせに時間も労力も割かれてしまいます。

これを避けるためにも、ペルソナはしっかり立てて、かつ詳細で具体的な項目――性別や年齢・年収のほか、家族構成・趣味趣向・ライフスタイルなどまで含めて細かく落とし込むことが、ホームページ制作で効果を出すために必要となります。

STEP 3. 費用対効果を考慮しながら制作予算を設定する

ホームページ作成に使う予算が決まっていれば、ホームページ制作会社も「どこまで機能を盛り込むか」といった目安が付きやすくなります。ただ、初めてホームページ作成を依頼する場合などは、相場もよく分かりません。まして、無料で作成できるものから1,000万円以上もするものまで幅広くありますので、迷って当然です。(後述で、ホームページ制作費用の相場について紹介していますので、そちらもご参考ください)

そこでおすすめしたい1つの基準が、「費用対効果」です。制作会社であればたいてい事例や実績を持ち合わせており、場合によっては、貴社の地域・業種でのおおまかなシミュレーション・想定もしてくれるところもありますので、こうした想定をもとに算出すると良いでしょう。ただしインターネットは「やってみないと正確な数字が出ない」「効果が出るまで半年~1年程度かかる」という特徴もありますので、それらも含めて考慮する必要があります。

また、ホームページを使っているうちに住所が変わったり、事業内容が変わったりといったこともあるかと思います。そういった修正に掛かる費用についても、制作会社にしっかり聞いておきましょう。

STEP 4. ホームページの公開時期を考えておく

納期(公開日)の目安を決めておくと、制作会社側もスケジュールを組みやすくなります。一般的に、ホームページの制作期間は、10ぺージほどのサイトでおおよそ2ヵ月~3ヵ月程度。これを参考にしながら、目安を決めて行きましょう。

また、貴社の事業計画に合わせて公開日を設定するのも手です。それは、ホームページが事業戦略ツールの1つとなり得るためです。たとえば「〇月から新規事業を開始するので、そのタイミングに合わせて公開したい」「〇月から法人化して社名・住所が変わるので、そのときに切り替えたい」など。このように、貴社事業の節目を公開希望日にするのもおすすめです。

STEP 5. デザインイメージを膨らませておく

先の「目的・目標」と「ペルソナ設定」で、ホームページで設計すべき方向性はある程度固めることができます。しかし、デザインとなると話は違ってきます。共通言語化しにくいため、要望を制作会社に伝えるのが難しいからです。

そこでおすすめしたいのは、他社のホームページを見て、気に入ったものをブックマークしておくこと。さらにそのホームページのどの部分が気に入ってるのか、などを制作会社に伝えることで、デザイン要望のブレを減らすことができます。難しければ、色遣いやイラスト等のテイストだけでも、社内でまとめて決めておきましょう。ホームページで使いたい写真、施工写真などがあれば、採用される/されないは別として、ある程度溜めておくと後々便利でしょう。

制作会社の制作実績も、参考になります(ブラニューの例)https://service.branu.jp/gallery/

ここで注意しておきたいことは、「デザインは、一度スタートしたら後戻りが難しいものが多い」ということです。たとえばイラストにしても、描き終わってからダメ出しをしたら、またゼロから作り直しになります。その分、イラスト制作の時間が振出しに戻る可能性もあります。動画や写真などの撮影素材も同様です。作り直し・撮り直しになると、その分ホームページ制作にかかる工期を圧迫し、希望していた公開日を守れなくなる恐れがあります。

ホームページ制作を依頼した場合の相場

初めてホームページ導入を考えている会社さんはもちろん、現在のホームページのリニューアルを検討されている会社さんにとっても、一番気になるのは制作費ではないでしょうか。そこで、一般的なホームページ制作に関する費用相場についてまとめてみました。

制作費用依頼先
名刺代わり・看板代わり20~50万円フリーランス
とりあえず見栄えの良いサイト50~200万円小規模制作会社
上記+検索対策をしたサイト200~400万円中規模制作会社
大企業向けのサイト400~1,000万円メーカー系制作会社

名刺代わり・看板替わりのホームページ(効果:△)

ホームページは「とりあえずあればいい」「名刺代わりで十分」「銀行で融資を受けるために作るだけ」といった場合。ご自身で作成する無料のホームページを利用するのも手ですが、「現場で忙しくて自分では作れない」といった場合は、フリーランスや知り合いにホームページ制作を依頼するのが妥当でしょう。

ただし残念なことに、これらのホームページは「あるだけ」で、事業戦略のうえで「戦えるツール」としての効果は見込めないことがほとんど。スマートフォンでの閲覧に対応してなかったり、セキュリティや検索順位への対策もできていないケースも多く見られます。

とりあえず見栄えの良いホームページ(効果:△)

そこそこ見栄えの良いホームページを希望するなら、少なくとも50万円以上するのが一般的な相場といえます。スマートフォンやタブレットなど、異なる端末で見ても画面に合わせて最適なレイアウトに組み替わり、またセキュリティ対策もある程度はできるでしょう。

ただし注意したいのは検索順位対策。検索サイトに合わせたコード設計のほか、ページの記述(コンテンツ)の質が大きく関係していますが、対応できる範囲についてはあまり多くは望めないことが多いようです。また修正する必要が出てきたときに、別途見積りして依頼することになり、ここでの追加費用を見込んでおく必要があります。

見栄えも良く検索対策もされたホームページ(効果:〇)

閲覧端末を問わず見栄えが良く、セキュリティ対策も検索順位対策も施されたホームページを希望するなら、200万円以上が相場となります。「ちょっと高いな」と思われるかもしれませんが、ホームページから工事を数件受注できればすぐに費用分はカバーできる計算も立ちます。また、「営業マンを1人雇う代わりに」ということで、効果の出るホームページを導入するケースも多く見られます。

ここで注意したいのは、「コンテンツの質」です。先に「検索順位に大きく関わる」と申し上げましたが、特に建設業は専門用語も多く、事業内容を制作会社に伝えるだけでも結構な労力を必要とします。場合によっては何回も何回もキャッチボールをしないといけなくなりますので、できるだけ建築系のホームページ制作実績があるところ、特に貴社と同業他社のホームページ制作経験のあるところに頼むことをおすすめします。

さらに「コンテンツの質」に関連して、「ブログの更新」も検索順位に大きく関わる傾向があります。ホームページは、活性化させることも順位を上げるうえで必要だからです。しかし「専門知識が無いとブログを投稿できない」「現場が終わって事務所に帰ってからパソコンで作成」となると、それだけでも更新する気持ちは続かなくなります。近年はスマートフォンから簡単にブログ更新できるタイプもありますので、できればそのような機能のあるホームページを選ぶことで、自社で活用しやすくなり、検索順位でも良好な結果を得やすくなります。

大企業向けの大規模ホームページ(効果:〇)

大企業では、新規事業の立上げや経営体制の変更・経営統合、さらには古くからのホームページを付け足し続けて身動きが取れなくなっているケースもあります。その場合は既存のサイトを細かく修繕するよりも、リニューアルしたほうが費用が安く済むケースもあります。

リニューアルする場合でも、作成するページは大量。執筆する文章量も多くなり、ページ数に比例して費用も積み上がっていきます。またそれぞれの部署ごと、あるいは展開するブランドごとにデザインを変えるなど、ホームページ制作に対する要件も増えていきます。さらに予約機能やオンライン見積計算などの機能を盛り込むケースもあり、その場合はソフト開発・組み込み費用なども発生します。

リニューアルのほうが結果的に安くあがることもあるとはいえ、それなりの品質を求めるとなると、制作費で1,000万円を超えるケースも出てきます。費用対効果を高めるためには、どこにコストを掛けるべきか、削れる部分はあるかなど、費用も含めて全体を俯瞰して見ることのできる専任の担当を据えることからはじめるのが良いでしょう。

ホームページ制作のタイムスケジュール

ホームページも、建設工事と同じように工期があります。完成するまでどのような準備が必要で、どんな段階を踏むのでしょうか? そしてそれぞれの作業にはどのぐらいの時間が掛かるのか? ここでは前述の「相場」で400万円以下のホームページを例に、簡単にご説明します。

準備期間:1ヵ月前後

ホームページの目的決定

ホームページ制作で一番の基本であり重要な要素が、目的の決定です。何の目的でホームページを導入/リニューアルするのか、これが明確でないと、せっかくのホームページ制作費も無駄に終わってしまいます。「ホームページ=戦略ツール」という意識で、意欲的に取り組みましょう。

ペルソナの設定

どんな人に向けたホームページなのか、どんな客層を狙っているのかを制作会社へ明確に伝えることで、効果の出るサイトを作りやすくなります。貴社の戦略を鑑みながら社内の意見も交えて、しっかり時間を掛けて固めていきましょう。

予算の設定

制作会社のシミュレーションなども考慮しつつ、貴社の事業計画を照らし合わせながら、大枠の予算を決めます。制作中に追加機能の必要性が出てきたりすることもありますので、幅を持たせて上限金額を決めておくと良いでしょう。

情報収集~制作会社への相見積もりとヒアリング

ホームページを制作する会社は多数あります。その中から何社か話を聞いてみましょう。内容・費用ともに不明な点があれば、なるべくその場で質問してすぐに解消させましょう。

比較して発注へ

制作会社ごとに得意な分野や予算感が異なりますので、もろもろの項目を比較して、貴社に最も適した条件の会社を選びましょう。中には割賦払ができて制作費を経費で処理できるケースもありますので、経理担当も交えて細かくチェックして、最終決定しましょう。

制作期間:2ヵ月前後

打ち合わせ

ホームページ制作を依頼する会社が決まったら、まずは打ち合わせから始めます。ここまでで決めてきた目的・目標、ペルソナやイメージを伝えると、その場で「であればこうしてみては?」という提案もしてくれるはずです。連携させたいSNS(LINE、Facebook、Instagram、Twitterなど)があれば、このタイミングで伝えておきます。もろもろを擦り合わせたら、全体のスケジュールも確認しておきましょう。

サイトの全体設計

ホームページ制作会社は、貴社の要望を汲み取ったのち、まずはサイトの全体設計を行います。ページ構成、導線、回遊のポイントなど、目標を達成するために必要な要素・ページを配置する、いわば「骨組み」のようなものです。この設計が効果を大きく左右しますので、重要な工程の1つと言えます。制作会社によっては、このラフの段階(仮の文章などが入ったおおまかな状態)で仮サイトとして共有してもらえることもあります。

コンテンツ制作(ライティング)

ページに必要な文章を、ヒアリングをもとに作成していきます。貴社の事業内容を正確に示し、かつホームページを訪れた人に伝わり、お問い合わせまでスムーズに誘導する文章を作成します。そのうえで、検索サイトで上位を目指すために語句の埋め込みなども行いますので、「貴社業種への理解」と「WEBサイトの知識」の両方が必要です。業界に特化したホームページ制作会社であれば話も早く、打ち合わせも効率化できて負担も減ります。

デザイン制作

基本的にペルソナや目的・目標に合わせたデザインを作成していきますが、その引き出しは担当デザイナーの技量や経験に左右されることもあります。そこで使えるのが、先に溜めておいた「デザインイメージ」です。

もしかすると、貴社で出したイメージがペルソナに合ってない場合もありますが、そのときは提案してもらえるので安心してください。またデザイン案をいくつか提示してくれる場合もありますので、互いに納得の行くデザイン・テイストを選んで先に進めましょう。

実装・コーディング

サイトの全体設計やデザインが決まったら、それをエンジニアがHTMLで記述していく実装・コーディングという工程に入ります。汎用なものであれば、テンプレートやプラグインを活用することで工期を圧縮することができます。逆にオリジナルのデザインや特殊な動きを加えたいときは、ゼロから開発・コーディングする必要があり、工期や費用にも影響が出てきます。ここで役立つのが、先に決めておいた上限金額。想定していた範囲内であれば、慌てることなく判断できます。

テストサイトでの確認

実装・コーディング作業が完了したら、設計した通りにホームページが動くかどうか、レイアウトが崩れているところが無いか、ページのリンクは正しく動くかなどを確認していきます。制作会社でチェックして問題なければ、貴社からも見ることができる「テストサイト」として、共有されます。

テストサイトは公開直前の最終段階のものなので、厳しい目でチェックをしておきましょう。とはいえ、現場で多忙な中での確認となることも多いので、公開したあとに「あそこが間違ってた!」と気付く箇所があるかもしれません。そんなときに備えて、変更するにはどのような追加費用や工期が必要か、自分でもできる範囲はどのあたりまでかを確認しておきましょう。

なお、どんなホームページシステムでも、文字修正や写真の差し替え程度であれば、特別な知識がなくても変更できますので、最低でもその操作は制作会社に聞いておくと良いでしょう。

運用・活用:公開後

保守・メンテナンス・改修

一般的に、ホームページは定期的な保守やメンテナンスが必要となります。たとえば社員の増減に伴うメールアドレスの新設・削除のほか、パソコンを入れ替えた際の管理画面の再設定など。またメールの不具合やサイトに組み込まれているプラグインのアップデート対応、サーバーの不具合なども稀に発生します。さらには代表の交代や住所の移転に伴う文字修正なども含めると、ホームページのメンテナンスはキリがありません。

こうしたホームページに関連した変更や不具合に対応できるように、サポート範囲や連絡先の確認、社内で対応する担当決めなどは必ず行っておきましょう。なお、サポートが別途料金としている制作会社がほとんどですが、ドメインやサーバー、セキュリティ関連の維持・管理、データのバックアップ等が含まれていることもあり、その場合はサポートは入っていたほうがお得です。

施工事例・ブログの更新

ホームページは活用すればするほど、検索順位で優位に立てます。また、貴社の事業内容や実績をどんどんホームページにアップ(=更新)することで、訪れた人に貴社への理解を深めてもらえます。これは元請け・施主・求職者、すべてに該当します。

そのため、定期的にブログや施工事例を更新できるように、社内で担当を決めたり、持ち回り制にしたりなど、工夫して定期更新できるような体制を整えることをおすすめします。今や、ブログ記事が率先して集客してくる時代です。前向きに検討されることをおすすめします。

またSNSと連携されている場合はリンク投稿を活用することで手間を大幅に減らせますので、ブログや施工事例を更新した際は、どんどんリンク投稿して集客を加速させていきましょう。

インターネット広告

ホームページを基点とした集客・人材獲得をする場合、インターネット広告を活用すると、さらにその効果は加速します。ただし広告文やターゲット設定、タグの埋め込みなど、ある程度のテクニックや知識が必要なため、外部に委託するのが現実的でしょう。その場合も費用対効果をしっかり吟味して、広告会社を選びましょう。

会社によっては記事制作(ブログ更新)や検索順位対策、求人広告などまで広範囲の施策ができるところもあります。現場で多忙な方にとってはワンストップ(窓口が1つ)で済みますので、おすすめです。

まとめ

ここまで、ホームページの導入検討時や、制作を依頼する際のポイント、そしてホームページ制作を依頼した際の流れや注意点についてご紹介してきました。ホームページは作成する目的や目指す内容によって、制作費は大きく変わります。しかし、ホームページが戦略ツールの主軸となった現代では、その費用を単純に抑えるのではなく、どうやってその費用対効果を高めていくか? が重要になっています。

そのためにも、ホームページを導入する目的・目標の設定はもちろん、事業計画なども考慮しながら、制作を依頼するようにしましょう。ぜひ、貴社の戦略の「右腕」となるような、結果の出るホームページを作成されてください!

     
この記事を書いたライター
政所健司

建築専門出版社にて住宅誌の編集長を歴任。国交省・住宅金融支援機構・NEDO等の広報誌制作業務に参画後、LIXILリフォームショップFC店の企業広報を経て現在BRANU株式会社にてマーケティングを担当。「現場で一番汗を流している人たちこそ主役に」という考えのもと、中小零細企業へのIT支援・DX支援・事業支援を通じて建設業界の古い産業構造の改革を目指す3児の父。

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