下請け脱却に成功、「数ヶ月待ち」の繁盛店へ

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自転車1台から始まった父の背中を追い、サラリーマンから「職人の道」へ
―― 本日はお時間をいただきありがとうございます。まずは御社の歩みについて教えていただけますか。お父様の代から長く続いていらっしゃいますね。
父である初代社長は戦後の人間で、「中学を出たらすぐに働け」という時代を生きてきた人でした。当時はそれが当たり前だったようですが、1人で塗装会社に修行に出され、何年かして独立。その当初は、自転車にペンキを載せて塗りに行くようなスタイルでずっとやっていたそうです。
――自転車で現場へ。まさに職人一筋のスタートだったのですね。
その後、車移動が当たり前になりスタッフも増え、バブルの頃は多忙を極めたようです。ただ、父が倒れたのを機に、当時別の仕事をしていた私が継ぐことになりました。実は、元々どうしても塗装がやりたかったわけではないんです。
――以前はどのようなお仕事を?
大きな現場で施工管理をしていました。電気関係で図面を引いたりする仕事です。現場仕事ではありましたが「職人」ではなかったので、実家に戻った当初は正直、嫌で嫌でしょうがなかったですね(笑)。でも、気づけばあっという間に20数年。今はもう、頭の中は塗装のことしか考えていないです。

「下請けが当たり前」の世界で感じた、職人としての限界と危機感
――代表が継がれた当時、お仕事の状況はいかがでしたか?
バブル後で、父の代にはあった町場の工務店さんが、どんどん無くなっていった時代でした。営業会社やハウスメーカーの下請けに入らない限り仕事がない。そんなきつい時期も長く経験しました。でも私は、下請けがとにかく嫌だった。どこかの下請けに入っても、結局施工するのは自分たちです。間に誰かが入るメリットを感じませんでしたし、「直接お客様と対話して仕事をする」のが自分に合っていると思っていました。
――直請け(直接受注)に切り替えるのは、勇気がいる決断だったのでは?
直で仕事を取るにはコツがいりますが、私はずっと「ネットが早いな」と思っていました。チラシも作ったことがありますが、効率が悪すぎます。先代は苦手な分野だったのでなかなか踏み切れませんでしたが、世代交代を機に「まずは元請けの安い仕事を辞めたい」と、Web活用に舵を切ったんです。
――そこで弊社(ブラニュー)との出会いがあったのですね。
最初は断ったんですけどね(笑)。でも、担当の方が熱心に言ってくれたので。そうでなければ始めていなかったかもしれません。自分から営業に行くのではなく、お客様の方から「やる気」を持って探してもらえる形が、一番良いご縁になる。最初は半信半疑でしたが、徐々に効果を実感していきました。

3年のサイト運用で、想像を超えて伸びた「問い合わせの数」
――実際にWebサイトを運用されて、反響はいかがでしたか?
最初は「Webサイトなんて上手くいかないだろう、いつ辞めてもいいや」と思っていましたが、やるからには「3年はかけよう」と決めていました。そうしたら、公開して1ヶ月くらいで最初のお問い合わせをいただいて。その後、2年目に5〜6件、3年目に10件と増えていって……ついには増えすぎちゃいました(笑)。
――定例報告資料を見ますと、月5~10件のお問い合わせがコンスタントに入って来ていますね。
電話も合わせれば、実際はその倍は来ていますよ。うちは月に2件ほどしか施工できないので、正直この量だとやりすぎなんです。一時期は回りきらなくてサイトを止めてもらったほどですが、それでも「待ってもいいから小澤さんに」と言ってくださる方が多くて。現在は半年先まで予約が埋まっています。
――まさに「予約の取れない塗装店」ですね!
AIの普及などで検索の仕方も変わっていますが、AIで調べた時にもうちが出るよう、担当の方と相談しながら進めてきたのも功を奏しています。担当の方は「それはやらなくていいです」とはっきり言ってくれるので信頼しています。
ブラニューさんの良いところは、頻繁に打ち合わせをして、しっかり面倒をみてくれるところですね。Webサイトも使いやすいので、もう9ヵ月先までブログを予約投稿していますよ(笑)。
「半年先まで予約がいっぱい」でも、規模を追わず質を貫くこだわり
―― ご活用いただけているようで大変嬉しく思います!これだけ反響があると、事業規模も大きくできそうですね。
ところが、職人を増やすと質が下がるんです。私が納得できる仕事ができる人は、50人に1人くらい。塗装を「建物のメンテナンス」と捉えているので、ひび割れの補修から養生、塗料の希釈率まで、どうしてもこだわりすぎてしまう。人を増やせば解決するという問題ではないんです。「現場調査報告書」にもこだわっていて、非常に細かく作り込んでいます。
―― 拝見しましたが、すごいですね。まるで新築工事の資料のようです。
ドローンで撮影して現状を説明し、施工後も全ての工程を写真に収めてファイルにしてお渡しする。見積もりから請求書、口コミのお願いまで一冊にまとめます。そこまで徹底して初めて、お客様に心から安心していただけると思っています。
―― これならお客様も安心ですよね、間違いなくリピーターになります。
今の塗装業界は営業会社やポータルサイトの広告ばかりですが、私はうちのような塗装店が、適正価格できちんと仕事をして残っていける世の中にしたいんです。他社の相見積もりを見ても、うちより倍くらい高い金額を提示しているケースがザラにあります。でも、うちは「直」で中間マージンがありませんし、私が事務をこなすことで徹底的にコストを抑えています。
――だからこそ、価格を上げずとも質の高い工事ができるのですね。
そうなんです。そう考えると、高い人件費を払って営業マンを雇うよりも、Webサイトを運用するほうが断然効率がいい。しかもサイトは一度作ってしまえば、あとは管理費しかコストは掛かりません。「もっと管理費を取ってもいいのでは?」とこちらから提案しても、担当の方が「いらないです」って言うんですけどね(笑)。

地元の腕利き職人が「自立」できる未来へ
――今後のビジョンを教えてください。
ブラニューさんに紹介した会社もありますが、そういった仲間がちゃんと自立できる体制を作ってあげたい。この地元に、良い会社を残さないといけないんです。今のうちに僕らが頑張って、「次の塗り替えはこの子たちにお願いします」と胸を張って言えるように。小澤家という「家系ラーメン」みたいに、暖簾分けしていけたらいいですね。
―― 「暖簾分け」、いいですね!
施工店が大きな会社に叩かれてばかりではいけない。塗装は腕があれば独立してやっていける仕事です。今は「見積もりを取ってくる営業マンが一番偉い」みたいになっていますが、実際に汗を流して作業している人間が一番報われなきゃおかしい。そういう職人たちが、Webサイトをきっかけに自分で仕事を取れるような業界になればいいなと思っています。
―― 最後に、弊社に期待することをお聞かせください。
良い施工店の仲間をどんどん増やしてほしいです。Webサイトを作れば名刺代わりになり、問い合わせも来る。色々な職種の職人さんに、この仕組みを活用してほしい。それが結局、街の人の役に立つんです。中間業者を挟めば工事費は高くなりますから。昔は近所に頼りになる職人がたくさんいましたが、今はそれがなくなってしまった。ブラニューさんには、ぜひそういう業者さんを増やして頑張ってもらいたいです。
―― はい、しっかり形にさせていただきます!本日は、ありがとうございました。
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