契約・成約を勝ち取る工事実績ページの作り方~建設・工事会社編

     
工事実績ページの作り方ホームページ制作
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法人企業や官公庁が施主となる、下請けとして注文を受けるBtoB業態での工事実績・施工事例ページの作り方をご紹介します。お客様が個人か法人か?で、違ったノウハウが必要となります。

法人向けは「就活の履歴書」のつもりで

個人向けの施工事例ページは、言うなれば「夢を魅せる」ページです。「こんな家に住みたい」「生活が変わりそう」という期待感を持っていただくことを目指します。

一方、法人向けの施工事例ページは、「条件を並べて判断材料としていただく」ページです。例えるなら、就転職時の「履歴書」のようなものです。

施工事例を通じて、施主、工事対象、工種、工事規模などの条件を確認してもらいます。会社概要や会社コンセプトなどのページに書かれていることを、現実の現場に落としたページと言えるでしょう。法人向けの仕事は、工事規模が大きく、継続的に依頼があり、付き合いが長くなることが多いので、まさに結婚や就職に近いものがあります。

施工事例ページは、その成否を決める、重要なページと言えます。

施工事例ページで効果を上げるための鉄則

1)得意なジャンルを明確に打ち出す

発注元となる企業の担当者は、自分が抱えている案件のジャンルや規模に近い工事実績のある会社に依頼したいという気持ちを持っています。その判断材料となるよう、施設系、土木系、店舗系、マンション、公共事業、など、ジャンル分けして施工事例を見せるようにすると親切です。

2)元請け会社名、企業の場合の施主名も重要

どんな企業が発注した工事を請け負っているのか、元請けはどこが多いのか、といった情報も企業向けの施工事例ページでは重要です。企業間の関係性を重視する法人取引ならではの視点です。

3)重機や機材の情報も掲載

どんな重機や機材を使って工事をするのかという情報も、発注元としては気になるポイントです。たとえばi-Construction対応重機など、使用が推奨されている重機もあります。どんな重機や機材を使っているのか、使えるのか、それらを使ってどの程度の規模の工事を行ったのかなどは、発注元が知りたい重要な情報です。

4)実績がある新技術は積極的にアピール

今、建設業界はBIM(Building Information Management/工事情報のデジタル管理)、i-Construction(アイコンストラクション/BIMにICT施工も含めた概念)といった、設計や工事、管理のデジタル化に取り組んでいます。公共工事の入札条件になることも珍しくありません。しかし、実際の現場で使ったことのある工事会社はまだまだ少ないのが実情です。BIM、i-Construction対応重機、ドローン測量、タブレットによる情報管理など、新しい技術に取り組んだ場合は、試験導入であっても、積極的にアピールする価値があります。

5)工事中の写真も重要

プロが見れば、工事中の写真から、どんな部材や工具を使っているのか、工事のレベルはどの程度か、といったことがわかります。また、業務のひとつとして、工事中の写真を撮影して残していくことが求められることも多いので、その実例としても重要です。

工事中の写真のほうが、美しい工事後の完成写真よりも重要な場合もあります。特に完成したら内側に隠れてしまう工種では、必ず載せておきたいものです。

6)文章は物件の説明より担当者様のコメントを

個人のお客様向けの場合は、物件の内容を説明する文章が必要ですが、法人向けの場合は、あまり読んでもらえないことも多いでしょう。文章は、先方担当社様のコメント、特に自社を選んでくださった理由や、他社と比べた場合の自社の評価ポイントなどがいいでしょう。発注先選びの参考になります。

7)必要事項をしっかり押さえる

法人向けの施工事例ページは「履歴書のようなもの」と書きましたが、それだけに、お客様となるかもしれない相手先の方が知りたい内容はしっかり押さえておきます。

法人向け施工事例ページの必須項目
1)工種
2)お施主様(発注元)
3)元請け企業
4)工事場所
5)工期
6)使用重機や部材

これらが発注先を探すためにネット検索する際のキーワードになることも多いので、なるべく情報を載せるようにします。そして、これらは画像にせず、テキストデータで入れるようにします。GoogleやYahoo!などの検索エンジンがキーワードを認識してくれます。

なるほど!な施工事例ホームページ

最後に、上記でご紹介した鉄則を守った、参考になる施工事例ページを紹介します。

■工事別にわかりやすいビフォーアフター写真

日本空調メンテナンス株式会社|https://www.n-k-m.co.jp/

東京都板橋区でオフィスビルや商業施設、学校などの空調機のメンテナンスやクリーニング、配管やダクト工事を行う日本空調メンテナンス。この会社の施工事例ページの特徴は、できる工事の種類をとにかく細かく写真で見せていることです。

施工実績ページのトップには、ズラリと工事名+写真が並びます。

・空調機メンテナンス……………20種類
・吸排気ファンメンテナンス……10種類
・配管メンテナンス………………7種類
・ダクトメンテナンス……………2種類
・フィルターメンテナンス………4種類

合計43種類にもなります。

施工実績なのですが、物件や施主などの情報は一切入っていません。

各事例の詳細ページには、工事のビフォーアフター写真が掲載されています。大きな写真の真ん中にあるスライダーを左に動かすと「ビフォー写真」、右に動かすと「アフター写真」が現れます。

さらにその下には、「ギャラリー」として、工事の過程が細かく詳しく解説されています。

これが43種類の工事で展開されているのです。一見して、丁寧な仕事をしてくれるという印象を与えます。自然な形でキーワードが数多く、頻繁に入っているので、SEO上も効果は高いでしょう。

■発注側が知りたい情報を「写真+データ」で押さえる

株式会社アウル|http://www.owl-shinsei.jp/company/

大阪市北区で下水道工事・給水工事の申請業務を行なうアウル。この会社の実績ページは、シンプルですが、ポイントが押さえられています。

各物件に対して掲載している情報と言えば…

・物件名
・完成写真
・クライアント状況
  施工年/物件の規模(階数など)/設計会社/施工会社(元請け)/工事会社
・アウルが担当した内容

文章もビフォーアフター写真もありませんが、必要にして充分な内容です。法人向けであれば、長い文章で説明されるより、こちらのほうに好感を持つ発注担当者も多いでしょう。その代わり、この形式であれば、実績の数を多く乗せておかないと、見た目に寂しく、実績の少ない企業だと思われてしまうので、注意が必要です。ちなみにアウルの場合、20物件の実績が掲載されています。

■発注側が知りたい情報を「表」で押さえる

司佐基工株式会社|http://www.tsukasakikou.com/

広島で杭や地盤関連の工事を行う司佐基工。ホームページはシンプルで文字が多いデザインです。施工事例ページは「工事経歴」というコーナー名で、写真はなく、表だけで必要事項が押さえられています。

項目は7つ。

・発注者(施主)
・工事場所
・工種
・杭径
・本数
・掘削長
・工期開始

部外者には意味がわかりませんが、杭関連の工事会社を探している会社にとっては響く内容です。写真なしだと素っ気なくなりがちですが、全体のデザインテイストと合わせ、実直なイメージを醸し出しています。官公庁が作る表に近いこともあり、特に公共工事系で好感を与えそうです。

■担当者インタビューで施工事例を紹介

株式会社アーバンプラン|http://urban-plan.com/

東京都新宿区や名古屋などでオフィスのインテリアデザインや内装工事を手掛けるアーバンプラン。デザイン会社だけに、ホームページはスッキリとモダンなデザインです。

施工事例ページは3種類あります。

1)実績紹介

各詳細ページは、写真が並びます。物件の情報(広さや工事会社など)を載せたほうが発注元の担当者にアピールすると思いますが、どんなデザインがされたのかはわかります。

2)CGイメージ集

そして、工事前に提案したCGイメージ画像の一覧もあります。こういう提案をしてもらえるだなとわかります。

3)お客様インタビュー

3つめは「お客様インタビュー」です。物件の写真と共に、物件情報や、アーバンプランに依頼した経緯などが長文でじっくり詳しく紹介されています。

発注企業とアーバンプランでどのようなやりとりがあるのか、自分の場合なら…ということで、シミュレーションしながら読んでいけるます。それによって、ホームページから問い合わせがあった場合、その後のセールス活動をスムーズに進められそうです。

***

法人向けの施工事例ページについて見てきましたが、「履歴書」だと考えて、写真に凝るもよし、必要データが目立つようにしてもよし、文章でしっかり説明するもよしです。条件を見ながらどうするか決めようという人に対して、自社が一番良く映るように考えてみてください。

     
この記事を書いたライター
岸上直大

WEBマーケティングのコンサルティング提案、コンテンツ制作、WEB広告運用を中心に手掛けているディレクター&ライター。MA、SNS、BI、SEOなどのwebマーケティングからAI、IoT、ロボティクスといった新技術系まで幅広い知見があり、現在、世の中のWEBマーケティング格差を埋める新事業を計画中。

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